阪神・金本知憲監督(48)が掲げたスローガン「超変革」が行き詰まっている。開幕当初は高山俊(23)と横田慎太郎(21)の1、2番コンビが大ブレイク。育成から抜擢した原口文仁(24)は5月の月間MVPを獲得し、左腕の岩貞祐太(24)が先発ローテーションに定着するなど、やることなすことが成功していたが、いつの間にか急降下。早くも「再変革」の大ナタが振り下ろされようとしている。
今や最下位争いを演じる阪神で頭痛のタネとなっているのが、肝心のベテラン、鳥谷敬(35)が大不振に陥ったこと。さらに新外国人ヘイグ(30)は使えず、スタートこそよかった4番ゴメス(31)もスランプにハマり、ついにスタメン落ちした。
とっかえひっかえ使っていた若手も、相手チームの研究と初体験の一軍での疲労などが重なって沈没。「そして、誰もいなくなった」という最悪の事態を迎えるに至ったのだ。
あげく、「後半戦のキーマン」としてあげていた西岡剛(31)が7月20日の巨人戦(甲子園)の走塁で左足アキレス腱を断裂し、今季絶望。この時点で、借金は今季最多の「13」に膨れ上がった。自力Vはとうに消滅し、広島以下の5球団にはまだ可能性があるはずのクライマックスシリーズ出場も風前のともし火である。
だが金本監督は、口にこそ出さないが、「勝負は来年」と考えていて、「超変革」の手を緩める気持ちは1ミリもない。むしろ、さらに過激化し、今オフの大リストラ断行計画が水面下で進行しているのだ。
「金本監督は前半戦の総括を、坂井オーナーと会食をしながら行いましたが、そこでチームの変革には時間が必要なことを説いた。FA補強はいらないが、外国人の総入れ替えと、今オフの大リストラをお願いしたんです」(球団関係者)
真っ先にリストラの対象となるのが、ゴメス、ヘイグ、ペレス(28)の3外国人。来日3年目のゴメスは初年度に109打点でタイトルを獲得したが、当時はマートンとの相乗効果があっての結果。今季は相棒のヘイグが早々に二軍落ちし、ゴメスもスランプに陥ってからは一向に上昇気配がない。そこで、金本監督は見切りをつけた。外国人のスタメン落ちや二軍落ちは、これまでの阪神では、フロントの裁断を仰ぐタブーだったが、金本監督はそんなことはおかまいなし。ヘイグもさっさと二軍へ送り、育成を目的に昨季途中から契約していたペレスにも戦力外の断を下すことになったのだ。もちろん、日本人選手にも、容赦ない非情通告が待っている。関西メディア関係者が言う。
「福原忍(39)、安藤優也(38)、鶴岡一成(39)の大ベテラン3人が、戦力外リストに入っているそうですが、当初はキャプテンの生え抜き、上本博紀(30)の名前さえあがっていた。北條史也(21)がいるし、守備だけなら大和(28)もいるとの判断でしょう。西岡の故障でその話は消えましたが、金本監督もフロントも、それくらい大胆にやらないと本当の変革はないと考えているんです」