史上最多のメダル41個を獲得したリオ五輪の次は、いよいよ東京開催。だが、4年後に必ず開かれる保証はないという。何しろ「首都直下型大地震が2020年までに起こり、五輪どころではなくなる」との不気味な警告が出されているのだ。迫り来る災害のメカニズムを明らかにする。
この7月から8月にかけて、日本各地で地震が異常頻発している。震度3以上を記録した、主だった日を見てみよう。
●7月17日:11時55分頃 熊本地方 M3.5 震度3 / 13時24分頃 茨城県南部 M5.0 震度4
●7月19日:12時57分頃 千葉県東方沖 M5.2 震度4 / 13時11分頃 青森県東方沖 M4.4 震度3 / 16時27分頃 茨城県沖 M4.1 震度3
●7月20日:7時25分頃 茨城県南部 M5.0 震度4 / 8時50分頃 岩手県沖 M4.7 震度3
●7月24日:0時59分頃 伊豆大島近海 M3.3 震度3 / 2時44分頃 伊豆大島近海 M3.4 震度3 / 11時51分頃 十勝地方中部 M4.6 震度4 / 13時54分頃 伊豆大島近海 M3.8 震度3
その後も7月27日には茨城県北部で震度5を記録するなど、揺れは各地で続き、最近では8月19日に茨城県沖で震度4の地震が発生している。
列島各地で頻発する不気味な中小地震は何を意味するのか。そして今、日本に何が起こっているのか。
気象庁関係者は、
「震源周辺の地域は、陸側のプレートの下にフィリピンプレートが沈み込んでいると考えられている。そのため、プレート間の境界が動いたことで地震が発生したのだろう」
と言うが、地震学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏はこう解説する。
「M9.0を記録した東日本大震災では、日本列島を構成する地下の基盤岩が一挙に動いて、(宮城県北東部の)牡鹿半島は東に5.4メートル動き、関東地方でも40センチ動いたとされています。列島各地の岩盤が無理やり動いたわけですから当然、その『影響』がジワジワ出てきます」
「影響」についてある科学ジャーナリストが言う。
「それは動いた岩盤に元に戻ろうとする力が働く、ということです。今、日本列島で地震が頻繁に起こっている原因は、これにほかなりませんね」
基盤岩がひき戻されるたびに地面が揺れているというのだ。
1923年に起きた大正の関東大震災タイプの再来周期は、短くて220年。しかし、東日本大震災の影響で日本の地下構造が大きく変化したため、あと100年以上の「インターバル」がある関東大震災も、一説には20~30年で発生するかもしれない、とささやかれている。そしてこの「基盤岩ひき戻し」は、さらなる大災害を誘発するおそれがあるのだ。前出・島村氏が言う。
「首都直下型大地震です。これはいつ来ても不思議ではない、と言われています」