仕事のストレスや恋愛トラブルで「失踪騒動」を起こした美女たちも数多くいる。ある者は復帰を果たし、ある者はようとして消息がつかめない。気になる「今」を大追跡した。
「あの時は本当に何も考えられなかった。その日はイベントの仕事で大阪に行く予定だったのが、成田空港に向かって、その場でフィリピン行きの航空チケットを買ったの。正規の値段だから約13万円。格安チケットなら半分以下で買えたのにね(笑)」
95年の「失踪騒動」を振り返るのはフィリピン出身の女優・ルビー・モレノ(51)だ。93年公開の映画「月はどっちに出ている」で日本の映画賞を総ナメにすると、一躍、時の人となった。
「当時はテレビのレギュラーが週に3本あって、朝からドラマのお仕事をして、夜は水商売のアルバイトもしていたの。事務所にもきちんと報告していたよ」
ルビーには稼がなければいけない理由があった。彼女には2度の離婚歴があり、隠し子までいたのだ。
「フィリピンに残してきた子供が障害を抱えていて、リハビリや治療に大金がかかる。妹3人を大学に通わせていたこともあって、毎月30万円くらいはフィリピンに送金していたよ」
やがて、経歴詐称や借金騒動が明るみに出ると、94年秋にヘアヌードを発表して過去を“清算”。その翌年に冒頭の失踪劇が起きた。
所属事務所の稲川素子社長は、当時、直撃取材にこう語っていた。
〈ルビーはもともと極度のワガママで、仕事の当日になって理由も言わず『私、やめるよ』とだけいって来なくなることがよくありました。それが今年春ごろからひどくなり、(中略)恋人とフィリピンに帰ってしまったんですよ〉(95年10月19日号)
祖国で芸能活動を再開させたが、なかなかうまくいかない。救いの手を差し伸べたのが稲川社長だった。
「向こうではずっと後悔していた。それで素子さんに電話で謝ったら『早く帰ってきなさい』って‥‥。素子さんとは、親子みたいな関係。だから親子喧嘩をしても、仲直りできちゃう」
00年に日本人男性と結婚し、1児をもうけると、子育てを最優先させるため、女優業はしばらく開店休業状態になった。
「息子が再放送か何かで、『愛という名のもとに』(92年放送)を観たんでしょうね。『お母さん、もう1回やりなよ~』なんて背中を押してくれて、よし、やってみようって」
10月22日スタートの連続ドラマ「コールドケース」(WOWOW)へのゲスト出演が決まっている。
「素子さんと『もう1回、映画の賞を獲りたいね~』って、よく話すんです」
失踪騒動を乗り越え、本格復帰を果たしたルビーに、かつて週刊アサヒ芸能を飾ったヘアヌードを見せると、頬を赤らめてこう話す。
「今こうして見てみるとよかったなって。キレイだった時代の私が残るでしょ。え? もう1回ヌード!? キツイよ~、ムリムリ! もう51よ(笑)」
脱ぎオファーを一蹴したルビーだが、人なつっこい笑顔は往時と変わらなかった。
94年に美人棋士が起こした「失踪騒動」は衝撃的だった。林葉直子(48)が、師匠の米長邦雄(故人)に「サイババに会いに行く」と言い残して行方をくらましたのだ。林葉は騒動の真相をこう明かしていた。
〈米長先生が冗談でおっしゃったんだと思いますよ。実際の行き先はアイルランドの友人のところでした。理由は今風に言えば“傷心旅行”〉(09年4月30日号)
その後、豊胸告白、自己破産などで世間の耳目を集め、14年には重度の肝硬変であることを明かした。当時、記者の電話取材に、
〈親戚のサポートを受けて療養に専念しています〉
と語っていた林葉だが、今回は携帯電話に何度かけてもつながらなかった。
一方、「宗教問題」で表舞台から姿を消したのは桜田淳子(58)だ。
「統一教会の信者だった桜田は、所属事務所の反対を押し切り、92年の合同結婚式に出席したことで活動休止状態に。今から3年前に復帰ライブを開催したものの、活動はそれっきりです」(芸能記者)
また、10月1日にデビュー45周年を迎えた天地真理(64)は、
「ここ数年はメディア出演を控えていますが、記者が訪問すると、にこやかに取材に応じてくれますよ。旺盛なサービス精神はアイドル時代と変わりません」(芸能関係者)
そこで、近況を聞こうと訪れたのは神奈川県にある介護サービス付きのマンション。最寄り駅から車で10分ほどの住宅街にあった。呼び鈴を鳴らすと職員が出て、
「数カ月前に引っ越されましたよ」
節目の年に開催が予定されるイベントでは元気な姿を見せてほしい。