ロックユニット「BOOM BOOM SATELLITES」のボーカル・川島道行さんが10月9日に脳腫瘍で亡くなった。享年47。翌10日には声優、ナレーターの田中一成氏が脳幹出血により、49歳で死去。突然襲われることの多い脳の病は防げないのだろうか。
川島さんは過去に3度の手術をし、19年間も脳腫瘍と戦ってきた。脳の病気とはいえ、2人の病気は原因も内容も違うのだが、「完治しない」「副作用がある」など、脳の病気には恐ろしいイメージがつきまとう。
「脳の病の原因はまだ完全には解明されていないのですが、長年の研究や調査でいろいろわかってきました。ノルアドレナリン、セロトニン、そしてメラトニンなどの物質の減少も大きな理由です」(相模原中央病院 中野重徳理事長)
これらの神経伝達物質の減少は食生活の乱れや偏りが大きな原因で、「ブレイン・フーズ」という言葉が使われている。そして食生活の見直しが最大の予防になると力説するのは、食文化史研究家で西武文理大学の講師を務める永山久夫氏だ。永山氏はわが国の伝統食の見直しを提唱する。
「今、和食が世界的に注目を集めていますが、なんといっても和食の中で優れものは味噌、大豆食品です。味噌は最高の健康食品ですよ」
大豆は良質なタンパク質を豊富に含んでいるが、発酵することでアミノ酸に分解され、旨味とともに多くの成分も生まれる。その代表がレシチンやグルタミン酸だ。永山氏が続ける。
「味噌にはアルギニンというアミノ酸も多く含まれているので、精力が強まります。さらに、含まれるトリプシンインヒビターには、抗ガン作用もあると注目されている。そしてレシチンやサポニンは血圧上昇を抑え、結果動脈硬化を防ぎ、脳の機能を高める作用を持っています。味噌は体のもとを強くする。脳を元気にし、体を強くするために効率よく効果を得ようとするなら味噌汁が最適。毎日、味噌汁を飲むことをお勧めします」
人間の体は千差万別。万能というものはない。しかし他人の若くしての死は、食生活を含めた生活の見直しの契機にはなる。早く逝った才能溢れる彼らの死を教訓にしたいものだ。
(谷川渓)