ストレスが多い現代。体調を整えるのが難しく困っている時、爪を揉むだけで快調になれるという。
「爪揉み」とは、その名のとおりの健康法のことだが、揉むのは爪そのもではなく、爪の生え際。その体験談を聞いてみると、「薬でも下がらなかった血圧が、爪揉みで正常化した」「60年以上、耳鳴りで悩んでいたが、1カ月爪を揉んだら、気にならないほどになった」「長いことメニエール病で悩んでいた症状が解消した」など、眉ツバな「奇跡」の話に聞こえないこともないが、話半分としてもソソられる。この爪揉み療法の効果の根拠を、東洋医学を研究している整体師・三上藤雄氏が説明する。
「手の指の爪の生え際に井穴というツボがあります。親指は外側、人差し指と中指は親指側、薬指は小指側、小指は両脇にある。自律神経のバランスを整えるこのツボを刺激することで副交感神経の活動を活性化させるので、自律神経の乱れを正しバランスを整え、ストレスを減らす。その結果、代謝がよくなり、諸症状が改善されるというものです」
では、そのやり方だ。まず爪の生えぎわを、片方の手の親指と人差し指で両側からつまみ、揉むようにグーッと押していく。1本の指を約10秒ずつ。
「痛気持ちいいと感じるくらいの力加減で、1日2、3回行うといい」(前出・三上氏)
それぞれの指によって効果が違うとのことだが、親指は肺などの呼吸器系、人差し指は胃腸などの消化器系、中指は耳、小指は心臓などの循環器系に働きかける。
「ただし、薬指だけは揉むのは避けたほうがいい。薬指には交感神経があり、病気の原因の大半は、交感神経の過剰な働きによるもの。そのため、副交感神経を優位にして症状を改善するのですが、薬指を揉むと交感神経の働きが強くなってしまい、逆効果になる」(前出・三上氏)
理にかなっているうえ、誰でもどこでもできる健康法である。
(谷川渓)