はたして本当の評価は?
12月7日に放送された音楽特番「2016FNS歌謡祭 第一夜」(フジテレビ系)に初出演し、大トリを飾った長渕剛のパフォーマンスがここしばらく話題だ。
長渕はギター1本で代表曲「乾杯」を歌い上げたのだが、今回は本来の歌い出しの前に現代の日本の政治、マスコミ、音楽への批判。さらに、若者の貧困、地域の過疎化など日本が抱える問題にも触れた3分強にも及ぶ“魂の叫び”をギターの音に乗せて、披露。
「おーう!」「うお~!」「はあっ!」と絶叫するなど、長渕節全開のトータル7分30秒の渾身のステージだった。
「『歌の安売りをするのも止めろー!』『オリンピックもいいんだけどよぉ、若者の貧困どうする 地域の過疎化どうする 騙されねえぜマスコミ』など、アイドル系アーティストでは口にできないことをとにかくストレートにぶつけていたという印象。長渕ファンも世間の声を代弁した圧巻のパフォーマンスに惚れ直したようです」(エンタメ誌記者)
しかし、長渕の自己陶酔も無念。中高生など、多くの若者たちには長渕の心の叫びは胸に響かなかったどころか、違う意味でツイッターが盛り上がってしまった。
「メディアは拍手喝采とばかりの太鼓持ち報道が多かったようですが、長渕を歌番組であまり見る機会がなかった若者たちからは『モノマネのお笑い芸人かと思った』『家族で見ていて恥ずかしくなった』『説教臭いオジサンて感じ』など、スベった芸人に対するようなツイートが目立っていました。むしろ称賛は一部。ほとんどがネタ扱いですから、ネット時代の怖さを改めて感じましたね」(前出・エンタメ誌記者)
本気で怒っているなら、マスコミという大雑把なものを敵視せず、海外の社会派シンガーのように権力者の実名を出すべきとも感じるが、歌謡特番の大トリを飾るに相応しい大反響を呼んだのも事実。長渕の破天荒キャラだけは、若者も思い知ったことだろう。
(佐伯シンジ)