1月8日にスタートしたNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」が、2000年以降ではワースト2位となる初回視聴率16.9%で低空発進した。本作では主演の柴咲コウが序盤に出演せず、直虎の子供時代を子役たちが演じることも話題に。しかし、多くの大河ファンには不評だったようだ。テレビ誌のライターが語る。
「ネット上では『退屈だった』とか『ストーリーが頭に入ってこない』と言う感想が目立ちましたね。子役がいくら達者な演技を見せても、“子供が頑張って演じている感”がにじみ出て物語に入りこめないのです。それに子供が主役のドラマならともかく、この子役たちがいずれ出演しなくなるため顔を覚える気にならず、よけいに物語が理解できなくなってしまっているようです」
本作では脚本家の森下佳子氏が、「子供時代の関係性がドラマの軸になっていく」という信念のもと、1カ月は直虎の幼少期を描き続ける予定だ。しかし、その目論見はすでに破たんしていると前出のテレビ誌ライターは指摘する。
「森下氏は昨年1月期のドラマ『わたしを離さないで』(TBS系)でも、同じような理由により序盤を子役中心で描いていました。それがドラマファンに響かなかったのか、同ドラマは平均6.8%と低迷。同じ金曜22時枠では前作の『コウノドリ』が同11.5%、次作の『私、結婚できないんじゃなくて、しないんです』が同9.0%でしたから、子役作戦が功を奏しなかったのは明らかです。この調子では次回以降の『直虎』でも厳しい数字が容易に予想できます」
NHKでは本編終了後にすぐ柴咲の笑顔をドアップにするなど、いずれは彼女が主演として登場することをアピールしている。だがそんな弥縫策を講じるくらいであれば、最初から柴咲を前面に押し出し、子役たちは回想シーン程度にとどめておけばよかったのかもしれない。
(白根麻子)