さて、低迷するチーム状況に話を戻そう。6月1日の楽天戦で、意気込みむなしく5回8失点でKOされた菅野について、試合後の囲み取材で村田ヘッドが、
「投手が試合を作ってくれないことには始まらない。バッテリーがしっかりせいというのはある」
と一喝した。先の球界関係者によると、このコメントを聞いたさるベテラン選手は、
「調子の悪い菅野にサインを出すこともなく、バッテリーに任せっきり。あとからコメントするだけなら誰でもできるよね」
と、あきれ口調だったという。
負の連鎖は止まらない。
早くも3敗と、15年の来日以来、過去最多の敗戦数にすでに達しているマイコラス(28)。彼に関しても、球団内から「敵チームがベンチ(のサイン)をのぞいているんじゃないか」とお門違いの声が出ているという。
「そんなわけないでしょう。小林のリードがすでにバレバレなんです。加えて、マイコラスの癖に他球団が気づいたことが大きい。他球団のスタッフは『余裕で打てますよ』と豪語するほどです。本人も今オフにはメジャーに戻ることで話ができているとも言われ、“サボリ病”を再発させているとも‥‥」(NPB関係者)
貧打、投壊と、若手選手にとっては逆に最大のチャンスにも見えるが、停滞する空気に足を引っ張られている状態だ。
「輪をかけているのが罰金制度。その額は他球団よりも多く、チャンスでバント失敗となると10万円近くも取られます。レギュラー陣なら痛くもないでしょうが、若手にとっては非常に厳しく、音を上げている選手もいる。おまけに徴収に来るスタッフが『ヘッドがブチ切れてたぞ』と、いらないひと言まで残していくので、ストレスは相当なものです。ミスを恐れるあまり本来の力を出せていません。そんな時こそ、若手のケアに回るのが主将の坂本勇人(28)の役目ですが、自身の成績が期待したほど上がらないことも重なり、『今は野球つまんないよね』とこぼすだけです」(スポーツ紙デスク)
チーム崩壊真っただ中で、オフの巨大補強を指揮した堤辰佳GM(51)の周辺も騒がしい。去る5月10日、渡邉恒雄読売グループ代表取締役主筆(91)が巨大補強の失敗を示唆するように「新しく獲った3人がいねえじゃねぇか」と、間接的とはいえ、編成にチクリとやった。「3人」とはFA移籍してきた山口、陽岱鋼(30)、森福允彦(30)のことである。前出・NPB関係者は、
「この発言以前から堤GMには相当の圧力がかかっていたようで、マスコミから話しかけられても目が泳いでいた。是が非でも結果を出さなければいけない重圧から、とても上げられる状態ではない山口俊を5月中に一軍登板させようとまでしていたほどです」
好転の兆しが見えず、シーズン序盤から責任問題が噴出するとは、もはや末期症状だろう。
「V逸なら堤GMは更迭を免れないでしょう。4月1日に鹿取義隆氏(60)がGM特別補佐に就任しているのですが、GMの後任候補として連れてこられたともっぱら。実は原氏とはコーチとして入閣していた一次政権時代に決裂して犬猿の仲なんです。原氏の去就が注目されるのと連動して、鹿取氏が入ってきたのには思惑を感じます」(球団関係者)
さて、モチベーションが上がらない監督は、誰にすがればいいのか‥‥。