週刊アサヒ芸能は5月から発生した「大分の地割れ」に着目し、17年6月20日号で「巨大地震発生」の危険性を緊急レポート。悪い予感はズバリ的中し、雑誌発売日の深夜に大分南部で震度5強の地震が観測された。さらに昨今の地震データを徹底検証すると、意外な“大災害”の兆候が明らかに──。
「このところ、伊東沖で群発地震が続いています。群発地震といっても毎年のように起こっているので驚きもしませんが、青ヶ島沖の海底火山であるベヨネース列岩や西之島の活発な活動があるので、気になります」
こう語るのは防災ジャーナリストの渡辺実氏だ。
長らく続いていた火山活動の静穏期の終わりが近いと言われているだけに、何とも不気味なのだ。地震学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が言う。
「伊豆半島の東部からその沖の海中にかけて小さな火山がたくさんあり、伊豆東部火山群と言われています。それらは『単成火山』というもので、富士山のように噴火を繰り返すのではなく、たった1回の噴火でできた火山なんです。1989年には、伊東市沖で手石海丘が海水を吹き上げて海底噴火が始まりました。陸地から2キロ余りの距離にあったのでよく見えました」
伊東市からほど近い富士山噴火への影響が懸念されるが、島村氏に聞くと、
「将来的に噴火はあるかもしれないが、今すぐということはない」
それでも不安は拭えない。琉球大学名誉教授の木村政昭氏の解説によれば、
「太平洋プレートのプレッシャーが強まり、太平洋側全域でさまざまな現象が起こっている。伊東沖で群発地震が起きているのも、そのせいかと思います。富士山の噴火は、私が予想する伊豆・小笠原沖で巨大地震が発生してからのことになると思われます」
富士山噴火の引き金になりうる海底地震。それは、1912年、50年、そして86年とほぼ30~40年周期で噴火した伊豆大島・三原山が深く関係している。最後の大噴火以降、その兆候が見当たらないことから、代わって、伊豆・小笠原諸島一帯でM9クラスの巨大地震が起きるのではないか。それが木村氏が立てた仮説なのだ。
本州や周辺地域に発生してきた地震や噴火は、太平洋プレートによる強い押し出しが原因とされている。
「ちょうど今、西之島の上に“地震の目”がある。西之島の地下では猛烈な火山活動が発生しているが、ここを震源とした巨大地震が発生するのではないか」(前出・木村氏)
海底の異変を裏付けるかのように、太平洋沿岸では、さまざまな“凶兆”が見られたという。