この情報が官邸に流れるや、「小池どもは本気で自民党にケンカを売る気か!」と激怒した閣僚がいたというのだが、自民党からすれば小池一派に翻弄されっぱなしなのだから無理もない。
党内で「安倍晋三総理(62)の最大のライバル」とも評される石破茂衆院議員(60)も、まるで“小池ども”の一人と見なされているのである。都議選では自民党が苦戦している練馬区を筆頭に、自民党候補者へ精力的に応援演説を行うなど党に貢献しているように見えたのだが、自民党関係者はこうタメ息をつく。
「表向きは『うちの若いのが迷惑をかけたので』と代表を務める派閥・水月会に所属していた若狭氏が自民党に弓を引いた責任を取るため、みずから志願したんです。しかし、蓋を開けてみれば小池都政を批判するかたわらで、『野党の時の気持ちを思い出し、口先ではなく、親切で正直で、誠実で丁寧な政党として、もう一度皆様の信頼を取り戻していかなければならない』と、政権批判とも取られかねない内容の演説を連発しましたからね」
政権からすれば、頼りなさを打ち消すべく、前線へ閣僚を送り込みたいところだったが、状況がそれを許さなかった。
「選挙戦前から、加計学園疑惑を想起させる人物の応援演説を、極力、避ける方針でした。野次や批判が飛び交うであろう“当事者”の安倍総理も、支持者しか集まらない小学校など“箱モノ”での演説を強いられました。しかも、人手が限られた苦しい戦いだと伝えられていたにもかかわらず、身内にまで足を引っ張られたんです。公示直前に発覚した豊田真由子衆院議員(42)による元秘書への暴言・暴行疑惑に加え、稲田朋美防衛相(58)も応援演説で自衛隊の政治利用を匂わせる失言をしてしまった。こうしたミスは小池氏の格好のネタにされてしまった」(前出・自民党関係者)
お粗末な失策続きに、安倍総理はもはや怒りを通り越し「何だかな‥‥」とボヤくばかりだったという。
こうした背景もあり、小池氏は今から着々と、国政で都民F勢が活躍することを前提に、未来の一手を描いているという。
「小池氏の野望は、20年の『東京五輪成功』という最大の追い風を受け、国政の『玉座』の禅譲を迫ることだ」
と語るのは、自民党時代に小池氏と交友があった自民党議員。小池氏には各国の女性大統領への羨望があり、「日本初の女性総理」という冠への執着が以前からあったという。
実際、その時期すらも小池氏に味方している。20年の東京五輪中に都知事の任期切れを迎えるが、対する安倍総理も党規約を変更し、総裁任期を「連続3期9年」に拡大したことで、五輪閉幕後に勇退するという見方が政界関係者の間で根強い。後継者不足に悩む自民党の一部から「五輪を成功させれば、都知事就任当初よりも小池フィーバーが吹き荒れる。頭を下げざるをえない」と本音が漏れているのも事実だ。