ミュージシャンの“オザケン”こと小沢健二が、大晦日の第68回NHK紅白歌合戦に内定したと、10月10日に各メディアが報じた。この報せにファンからは歓迎の声が上がる一方、「大した活躍もしてないのになぜ紅白?」という異論も出ているようだ。しかし最大の問題は、このニュースが若者たちにまったく響いていないことだという。音楽ライターが指摘する。
「紅白の視聴率は、テレビを見る習慣のない若者たちをいかに惹きつけるかで上下します。しかし当の若者たちからは『オザケン…誰?』という声しか聞こえてこないのです。小沢の全盛時を知るファンからは『出演者全員で「今夜はブギー・バック」をメドレーだ!』との声も上がっていますが、そもそも同曲は94年のリリース。23歳以下の若者にとっては自分が生まれる前の曲であり、聴いたこともない懐メロに過ぎません」
その様子を1968年生まれの小沢自身に置き替えてみれば、ザ・タイガースの「君だけに愛を」やザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」(いずれも67年の曲)で高齢者が盛り上がっているようなものだろうか。そんな「今夜はブギー・バック」(※小沢健二 featuring スチャダラパー名義)について、音楽ライターが続ける。
「この曲は意外にもアイドルがイベントでよくカバーしています。ただそれは40代以上のファンにウケるので運営側が選んでいるからであり、本人たちは曲の背景も知らずに歌っているのが現実。今回のオザケン選出にはそれと似たような匂いを感じますね」
ともあれオジサン世代からは「よくカラオケで歌ったよねえ」という懐かしみの声が出ていることは確かなようだ。
(金田麻有)