向かうところ敵なしの活躍を続けるフィギュアスケートの世界女王、ロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手。来たる平昌五輪でも金メダル候補の1人として名前があがっていたが、11月21日にロシアスケート連盟はメドベージェワ選手が右足甲の骨のひびによる負傷を負っていると発表した。
「10月中旬に足の故障があり、それをケアしながら試合に臨んできていたのですが、先のNHK杯では優勝をしたもののフリースタイルで珍しくジャンプで転倒するなど精彩を欠き、ケガをしていることが広まっていた矢先でした。試合後に精密検査をして骨のひびが確認され、今はギプスをはめて固定している状態だそうです。連盟としては平昌五輪に万全を期して、出場が決まっているGPファイナルの欠場も視野に入れて検討しているようですが、メドベージェワ選手本人は『今までケガで試合を休んだことはない』と強行出場を希望しているようで、今後の展開が注目されます」(スポーツライター)
男子の金メダル候補・羽生結弦選手に続きメドベージェワ選手もケガをしてしまうとは、今年のGPファイナルは異例の展開になりそうだ。メドベージェワ選手が欠場となれば、ファイナル進出未定の樋口新葉選手に出場の可能性が出てくる。日本にとっては、有利な展開だが…。
「国際スケート連盟としては、平昌五輪後に4回転ジャンプをはじめとした体に故障を起こしやすい技術の高得点化の見直しを図っていきたいという考えがあり、採点方式が大幅に変わる予定です。タラソワコーチを筆頭に反対を表明する人たちもいますが、表現性などの得点へ重きを置きたいという流れがあるんです。最近では、早い段階から難易度の高いジャンプの練習をするジュニアの選手にもケガが増えていることも要因の1つです。今回の羽生選手とメドベージェワ選手のような超トップ選手でさえケガの危険と隣りあわせだという事実は、技術面の向上によりいっそうストップをかける方向に進んでいくかもしれませんね」(前出・スポーツライター)
表現性とともに、難易度の高いジャンプの美しさをかねそなえた素晴らしさが理想ともいえるフィギュアスケート。だが、「4回転合戦」のようなプログラムは、今年で見納めになるのかもしれない。
(芝公子)