同じタイミングで今後の意向が発表されたことで、どうしても比較されてしまったようだ。
米大リーグのカブスからフリーエージェントになった上原浩治投手が、メジャー契約に絞って来季のオファーを待ち、それが叶わなければ現役を終える意向であることが明らかとなった。
現在都内でトレーニングを続けている上原投手だが、メジャー契約は全30球団どこへでも行く覚悟を持っているという。しかし、日本球界への復帰やマイナー契約を結ぶ考えはないようで、「オファーがなければやめる」という決意が本人の中で固まっているとのこと。
当然、日本の野球ファンからすればぜひとも日本球界に復帰してほしい気持ちもあるはずだが、かつては巨人軍のエースとして活躍し、メジャーでもレッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献もした偉大な野球人の決断をほとんどの野球ファンは受け入れる心持ちのようだ。また、「引き際が潔くてカッコいい」といったその決断を称賛する声も上がっている。
しかし、残念なことに上原のこの“潔い決断”により、思わぬとばっちりを喰らった元メジャーリーガーがいる。
「今季限りでソフトバンクを退団した松坂大輔投手ですよ。3年12億という大型契約を同球団と15年に結ぶも、結局1軍登板は1試合のみ。そのため野球ファンから年俸泥棒扱いされており、そんな松坂のケースがあるからこそ、上原の決断が英断と判断されていることも少なからずあるでしょう」(スポーツ紙記者)
そして、そんな松坂は上原とはまったく違った道を歩むことになりそうだ。
「松坂は台湾プロ野球で現役続行を模索していると、地元紙が報じています。本人としては野球を続けられる環境があれば続けたいという気持ちなんでしょうが、日本球界復帰後の成績で完全に野球ファンの期待を裏切ってしまったことも大きく、『もうあきらめたら?』『往生際が悪いぞ』『上原の潔さを見習えよ』と厳しい声が集まっているのが現状です」(前出・スポーツ紙記者)
とはいえ、契約するのは本人と球団。球団が戦力として欲しいのであれば、外野がああだこうだ言う権利はない。両投手の来年の飛躍に期待したいところだ。
(田中康)