史上最年少のプロ入り、デビューから29連勝と数々の記録を塗り替えてきた藤井聡太五段(15)。目前に迫った、「永世七冠」を達成した羽生善治竜王(47)を相手にどんな戦いを見せるのか──。2月17日(東京・有楽町朝日ホール)に行われる“世紀の対局”の観戦チケットは即日完売。注目度の高さを改めて世に知らしめた。この公式戦初対決は、将棋史に残る重要な一戦になるのはもちろん、対決できること自体が、藤井五段の傑出した実力を物語っているという。
「すべての棋士にとって、羽生戦は特別。一度も対戦できないまま引退する棋士が全体の2~3割いると言われているぐらいで、当たることすらなかなか簡単には叶いません」
と言うのは、「羽生善治 夢と、自信と」(学習研究社)の著書がある将棋記者の椎名龍一氏。竜王戦や棋聖戦といった大会でタイトルホルダーの羽生竜王と相見えるには、挑戦者決定戦を勝ち進んで、その高みまでのぼりつめなければならないからだ。今回、藤井五段は「朝日杯将棋オープン戦」のトーナメントを勝ち進み、準々決勝で佐藤天彦名人(30)を破ったことで、次戦の準決勝で羽生竜王とぶつかることになったのだ。はたして、藤井五段は「羽生打倒」という下克上を果たせるのか。2月13日発売の「週刊アサヒ芸能」2月22日号では藤井五段の大一番を大胆シミュレート。両者の強さを徹底分析した注目の特集記事になっているが、その記事中でも登場する「藤井聡太 天才はいかに生まれたか」(NHK出版新書)の著書を持つフリーライターの松本博文氏は、「藤井五段が勝つ確率はズバリ4割」と断言したうえで、その根拠を明かす。
「朝日杯将棋オープン戦は持ち時間が各40分という早指し戦。一般的に持ち時間が短いほうが、若手にとって有利と言われています。短時間で手を読みきる“瞬発力”ではやはり若手に分がありますからね」
日本中が注目する対局の行方やいかに。