3月3日、春夏合わせて7度の全国制覇を達成している高校野球の名門・PL学園が、「部内暴力」があったことを理由に春季大阪大会の出場を辞退した。運動部の体罰問題が注視されている時期だけに波紋は広がるばかりだが、なんと桑田真澄氏(44)の実父は生前、同校がひた隠してきた“衝撃事件”の実態を暴露していたのである。
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PL学園がセンバツへの出場辞退を決めたのは、2月下旬に寮内で、複数の2年生部員が1年生部員1人に対して激しい暴力を振るって救急車が出動する騒動になっていたからだった。
その発表がなされた翌日、PL学園出身の中でも屈指のスター選手だった清原和博氏(45)が、前出の記事で触れた「S☆1」に野村氏とともに出演し、こんな発言をしたのだ。
「PLといえば伝統ですから、暴力は」
さらには、
「僕も1年生で甲子園出てる時は、体中アザだらけでした」
と、上級生から下級生に対するシゴキが激しかったことを振り返った。
さすがに番組司会者の爆笑問題・田中裕二が、体罰容認とも取られかねない発言に慌てて、
「でも、体罰はダメですよね?」
と助け舟を出したが、清原氏は平然とこう言ってのけたのである。
「あれ(体罰)で強かったんですよ」
この放送の1カ月ほど前にも、「フライデー」の取材に清原氏が明かしたところによれば、PL時代には1年生が球拾いで捕り損ねると2年生が監督から“尻バット”を受け、その晩、2年生が「お前、何してくれてんねん!」と1年生を殴るシゴキがあったという。
もちろん、清原氏に理不尽な暴力を肯定しようという意図はないが、「暴力はPLの伝統」との発言ははからずも過去の事案と符合してしまう。
PL学園の暴力問題が表ざたになったのは、今回が初めてではないのだ。
「近いところでは01年、日常的に上級生が下級生をバットで殴るなどの暴力があったとして、半年間の対外試合禁止処分となった。事態は訴訟ざたにも発展しました。訴えられた生徒とは違いますが、下級生に暴力を振るっていた首謀者がプロ入りした、との噂も出て波紋を広げたんです。97年にも、上級生が下級生を暴行し、重傷を負わせた一件も明るみに出ています」(スポーツ紙デスク)
清原氏の証言も大げさではないようだ。
一方、その清原氏と「KKコンビ」として活躍した桑田真澄氏は、強く「体罰反対」との立場で持論を展開している。
1月に朝日新聞の取材を受けた際も、
「私は体罰に愛を感じたことは一度もありません」
と断言した。
桑田氏は09年に、当時在籍していた早大大学院で体罰に関する論文も発表している。当時を知る早大関係者はこう話す。
「桑田さんが体罰問題に関して話をする時は、本当に嫌悪しているんだなという悲しげな表情になるんですよ」
桑田氏がそこまで体罰、 桑田氏がそこまで体罰、暴力を嫌う根底には、これから紹介する“ある事件”が、もしかすると関係しているのかもしれない──。