5月27日、歌舞伎役者・尾上菊五郎(71)と富司純子(68)の長男・尾上菊之助(36)と、人間国宝・中村吉右衛門(70)の四女・瓔子さん(31)の結婚披露宴が都内のホテルで開かれた。梨園の名門同士の華燭の典だけに華やかな祝宴となったが、その舞台裏では大物女優同士による、文字どおり“ありのままの”因縁の火種がくすぶっていたというのである。
皇族、元首相、大物司会者やアイドルなど、総勢620人も出席した披露宴は、豪華絢爛だった。名だたる歌舞伎界の大物たちも総じて出席している。
もちろん両家の親族も集まった。双方の両親を筆頭に、菊之助の姉で女優の寺島しのぶ(41)、吉右衛門の兄・松本幸四郎(71)、幸四郎の長男・市川染五郎(41)らが勢ぞろい。ところが、幸四郎の次女で、現在は「アナと雪の女王」主題歌でミリオンヒットを記録している、女優・松たか子(37)が欠席したのである。そのため、さまざまな憶測を呼んだのだ。
「披露宴は昨年9月から決まっていたにもかかわらず、松は仕事が入っていたという理由で欠席しました。松クラスの女優になれば、何とでもスケジュールは調整できたはずですから、どうしても出たくなかった理由があったのでしょう」(出席した歌舞伎関係者)
大事な親族の晴れ舞台だっただけに、松にとって欠席は苦渋の決断だったに違いない。が、その背景には、1人の出席者との根深い確執があったというのだ。
「松は寺島しのぶと共演NGですからね。過去にも共演作はない。とはいえ、双方から要望があってということではなく、周囲が暗黙の了解で気を遣ってそうしてきたのです。ところが、今回の事態を見ると、共演どころか、同じ場所で同じ空気を吸うことさえ嫌だったのかと‥‥」(映画関係者)
きな臭い話が聞こえてきたが、2人の因縁を理解するには説明が必要だろう。
「もともと尾上家と松本家は歩いて行けるほどの距離に互いの邸宅を構え、寺島と染五郎は同級生、寺島と松は幼なじみで仲がよかった。ところが、小学生になったぐらいから容姿端麗だった松の芸能界入りが注目され、梨園の娘という境遇から寺島と比較されるようになったんです。寺島は『私はダメなんだな』とことさら気にかけていた」(両家を古くから知る演劇関係者)
それが発奮材料となったのか、寺島は大学在学中の92年に名門・文学座に入団して演技力を磨いた。
一方、そんな寺島を尻目に、松は高校在学中の93年に歌舞伎座で初舞台を踏むと、94年にNHK大河ドラマ「花の乱」でドラマ初出演を果たし「人気女優」の地位を確立していった。寺島は地味に、松は華やかに、2人は実に対照的な女優人生をスタートさせたのである。が、当時の寺島はプライベートが充実しきっていたというのだ。
「文学座入団後、幼なじみだった染五郎との交際をスタートさせたんです。97年に2人の関係が発覚し、同年に染五郎が18歳時、6歳年上の元女優との間に隠し子を作っていたことが発覚した。染五郎が会見で認知していることまで明かしたにもかかわらず、寺島はそれを全て受け入れて順調に交際を続けたのですが‥‥」(ベテラン芸能記者)
なんと、03年1月、染五郎は突如、高校時代からの友人女性と結婚することを発表し、結婚を誓い合っていたはずの寺島を一気に失意のどん底に突き落としたのだ。