12月14日に投開票となった衆議院議員選挙。フタを開けてみたら投票率は戦後最低の52.66%となり、民主主義の危機が叫ばれる結果に。自民党の小泉進次郎議員も「熱狂なき圧勝」と言うとおり、盛り上がりに欠ける選挙となった。日本では、「どうせ投票しても変わらない」とさじを投げている国民や、そもそも政治に興味がない国民が多いようだ。ところで、海外では投票率はどうなのだろうか。
民主主義および選挙支援の研究を行う国際機関「民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)が公表する、各国の国政選挙の投票率データを見てみると、次のように出ていた。
アメリカ 59.32%(2012年)
イギリス 65.77%(2010年)
ドイツ 71.55%(2013年)
フランス 55.40%(2012年)
イタリア 75.19%(2013年)
なんと、日本と同様に60%を切っている先進国もちらほら。自由の国と言われるアメリカでさえも、日本とそう変わらない投票率だったのだ。投票率が高かった国でも、イタリアは投票を国民の義務とするという義務投票制を採用している。罰則はないが、こうしたシステムが高い投票率の理由になっているのだろう。
一方で、義務投票制でも「投票に行かなければ罰金」という制度を取り入れている国もある。以下に投票率と罰則を挙げてみよう。
オーストラリア 93.23%(2013年)……罰金
シンガポール 93.18%(2011年)……選挙人名簿からの抹消
ベルギー 89.37%(2014年)……罰金・選挙権制限
キプロス 78.70%(2011年)……罰金・入獄
フィジー 84.60%(2014年)……罰金・入獄
このように義務投票制では当然ながら、投票率は高くなる。しかし、義務投票制ではないのに投票率が高いのが、北欧の国々である。
スウェーデン 83.33%(2014年)
デンマーク 87.74%(2011年)
ノルウェー 78.23%(2013年)
フィンランド 67.37%(2011年)
北欧は福祉が充実していると言われるが、こうして国民がよりよい生活を送るために声を上げていることもその要因のひとつなのだろうか。
ちなみに、驚異的な高投票率を記録していたのが、ラオスの99.69%(2011年)やベトナムの99.51%、ルワンダの98.80%(2013年)など。いずれも義務投票制ではないのに、国民がこぞって投票に行っているようである。
日本も今後、各国の例を見ながら、投票率を上げるための方法を模索すべきではないだろうか。