4月15日にスタートした新ドラマ「Dr.倫太郎」(日本テレビ系)。堺雅人にとっては約1年4カ月ぶりとなる地上波連続ドラマ出演だが、同作品のもう一つの見どころは、その脇を固めるベテラン俳優、女優陣の活躍。なかでも相変わらずのバイプレーヤーぶりを魅せているのが、外科主任教授で副医院長・蓮見栄介を演じる松重豊だ。
松重といえば、福岡市出身の俳優で、いまやドラマ、映画、舞台に欠かすことのできない名脇役。福岡は多くの芸能人、個性派俳優を輩出している土地だが、あの陣内孝則とは地元・西南学院高校の先輩にあたるという。近年は深夜ドラマ「孤独のグルメ」シリーズをヒットさせた立役者としても知られるが、それまでに至る経緯は決して順風満帆とは言えないものだったという。
地元福岡の高校を卒業した松重は、明治大学文学部に通うため82年に上京。卒業と同時に劇団に入団し、3年ほどしてフリーになるが、生活に困窮。1年以上に渡り休業したこともあったというから、人生なにが起こるかわからない。
そんな松重が30年来にわたり交流するある人物がいるという。芸能記者が話す。
「上京して間もなく、松重が下宿先にほど近い下北沢の餃子店『みん亭(みんは王へんに民)』でバイトを始めた日、偶然にも同じ日にバイトに入ったのがあの甲本ヒロトだったんです。芝居とバンド、それぞれ違う世界ながらも夢への道を歩き始めたばかりの二人は、すぐに意気投合したそうです」
実は甲本、ある番組の企画で二人の青春時代を振り返りながら、松重にこんな手紙を送っている。その一文はこうだ。
<あの時のあの場所がスタートだったとしたら、ゴールはどこなんだろうか。30年たった今も僕はバンド、豊は芝居に明け暮れています。(中略)
もしかしたら、あの時僕らはすでに夢を叶えていたんじゃないだろうか。そう思ったらとても会いたくなりました。飲みましょう>
「この手紙はNHKの番組で松重自身により朗読されたもの。“万年金欠演劇青年”だった松重にとって、バイト代を日払いしてくれるみん亭(みんは王へんに民)は頼みの綱。日当をもらうといつも隣の銭湯でひと汗流した後、朝まで飲んで互いに夢を語り明かしていたそうです」(前出・芸能記者)
ちなみに松重、バイト先ではラーメンを出していたが、そばかうどんかと問われたら、福岡出身らしく博多うどん派なんだとか。独特のやわらかいうどんは地元では定番で、福岡市内にはラーメン店に負けないほどのうどん店があるという。出張で福岡に訪れた際には、松重よろしく「孤独のグルメ」気分を味わってみてはいかがだろうか。
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