SPEEDの上原多香子が6月29日、9カ月ぶりに自身のブログを更新、「芸能活動再開」を報告した。上原は昨年9月、夫でヒップホップグループ・ET-KINGのTENNさん(享年35)を亡くして以来、喪に服していた。女性誌記者が言う。
「並大抵のショックではなかったと思います。何しろ夫は原因不明の自殺で、それも場所は大阪市内の自宅マンションの駐車場。愛車のワンボックスカーの中で首を吊ったんですから。第一発見者は上原で、発見当時は激しく取り乱したそうです。3日後の葬儀・告別式で、嗚咽をもらしながら喪主を務めあげていました。上原の落ち込み方は半端ではなく、友人たちは後追い自殺を心配して訪れ、元気づける日々だったそうです」
時間の経過とともに上原も落ち着きをみせ、最近では笑顔を浮かべるまでになったという。復帰作に選ばれたのは、俳優の宅間孝行主宰の舞台「タクフェス」第3弾の「くちづけ」(10月7~18日、東京・サンシャイン劇場)。「くちづけ」は実際に起きた事件をもとに宅間が作・演出。2010年に宅間主宰の劇団「東京セレソンデラックス」で初演した。知的障害者が暮らすグループホームを舞台に、父と娘の切ない愛を描いた人情劇。「舞台史上一番泣ける」と評判になり、小劇場公演ながら観客動員数2万4000人を記録した。
2013年には同名映画が公開されている。映画版は貫地谷しほりが主演。5年ぶりの再演でのヒロインは、元アイドリング!!!の森田涼花がオーディションで勝ち取った。
上原の復帰作がこの作品に決まったのは、いったいなぜなのか。
「夫を自殺で亡くした未亡人である上原に夫婦愛を描いた作品は演じるのはもちろん、観る方もかなりしんどいものがある。この作品には父と娘のお互いを思いあう無償の愛が描かれており、観る者の気持ちを浄化させてくれる効果が絶大。公演日数も12日間で16公演と余裕がある。肩慣らしにはちょうどいいですし、お客さんの拍手を浴びることで彼女に笑顔が戻ればいいのですが」(舞台関係者)
宅間が作・演出、共演は金田明夫、柴田理恵、大和田獏らベテラン揃い。胸を借りて演技に没頭できそうだ。が、心配もあるようだ。
「宅間さんは一部で鬼演出家の声も上がるほど厳しい人です。口より先に手や足が出ることも。そんなスパルタ式におっとりタイプの上原さんがついていけるのかどうか。上原さんは演技力が光るタイプではありませんからね」(演劇ライター)
まずは、復帰を心待ちしていたファンに元気な姿を見せてほしいものだ。
(塩勢知央)