8月22日に開幕の「世界陸上北京」。初日にジャマイカの英雄ウサイン・ボルトが登場するなど、お茶の間でも盛り上がりは必至だ。
そのウサイン・ボルトきっかけで日本中、いや世界中が注目しているのが、ガーナ人の父親と日本人の母親を持つ、城西高校2年のサニブラウン・アブデル・ハキーム(16)だ。
世界ユース選手権の男子200メートルで、ボルトの持つ大会記録を破ったのだからそれも当然だろう。
ところで「世界陸上」といえば、俳優の織田裕二がMCを務めるTBSの名物スポーツ番組。今年も熱い応援、歓喜、落胆が繰り返されることは間違いない。しかし、ここにきてTBSは例年以上に目の色を変えて、世界陸上の成功、そしてサニブラウンの大スター化を願っているのだとか。
「TBSはいきなりトップギアに入れろとばかりに必死です。というのも、先日の『夏の甲子園』での不祥事の影響が非常に大きい。早稲田実業の清宮フィーバーの取材で、スタッフが一般人と偽って撮影禁止エリアで取材したことで大会本部が大激怒。TBS関係者の取材パスを全て没収。来年の大会も取材NGという話まで出ました。これによって清宮クンはおろか、清宮とお茶の間の関心を二分した、ナイジェリアと日本のハーフ選手、関東一高のオコエ瑠偉クンの取材もまともにできなくなったわけです。これは局としては超痛手。ところが、そこに“地獄に仏”というべきか、世界陸上です。局全体に『甲子園のことは禁句、徹底的に世界陸上とサニブラウンを推そう』という空気があるそうですね」(スポーツ紙記者)
なんとも勝手な理由だが、甲子園というドメスティックなスターより、世界を驚かせるスターが出現なら、局としても面目躍如といったことなのだろうか。
とはいえ、まだ16歳の少年。日本中がサニブラウンくんを応援しているが、崖っぷちテレビ局の過剰な煽りなど無視して、未来に向けた若々しい走りを期待したい。
(三崎康太)