軽い心筋梗塞で天海祐希が予定されていた舞台を降板したのは、初日の3日前のこと。はたして中止か? それとも代役か? 演出の野田秀樹が出した結論は「宮沢りえを代役にする」であった。
「ただし、この決断に本来の主演だった天海は難色を示した。何と言っても宝塚のトップスターだったわけですから、こんな短い期間でアイドル上がりの宮沢りえに務まると思えなかったようです」(舞台関係者)
実は宮沢のセリフ暗記には定評があり、初日こそ順延したが、ほんの2、3日の稽古で見事に代役を務めあげたのだ。その評判に、バツが悪くなった天海は「宮沢さんに感謝します」と言うのが精一杯であった。