芸能

戦後70年「日本のアイドル近代絵巻」、焼跡に響く復興歌姫の50年代

20150907kindai-b

 実は戦時中より、終戦直後のほうが人々の暮らしは厳しいものであった。食糧難や経済の不安はあったが、そこに希望の光となったのが「リンゴの唄」である。歌ったのは並木路子で、自身が主演した戦後初の公開映画「そよかぜ」の主題歌として作られた。

 この年の暮れには、現在の紅白歌合戦の前身となる「紅白歌試合」がラジオで放送されたが、並木はこれに出演。翌46年1月にはレコード化され、当時としては空前の数字である12万枚を記録。並木こそ、事実上の“戦後初の国民的なアイドル”と呼べるかもしれない。

 そして美空ひばりの登場である。89年の没後に国民栄誉賞に輝いた実績の数々は広く知られているが、ひばりには江利チエミ、雪村いづみという仲間がいた。これを「三人娘」と称して映画でも共演したが、この方法はアイドル史において大きな意味を持った。トリオという形はバランスが抜群に良く、ファンの相乗効果をあおることもできる。ひばりに引っぱられる形で三人娘の人気が爆発し、人々は少しずつ豊かになってゆく暮らしに重ね合わせ、夢を見た。

並木路子

戦争が終わったばかりの昭和20年、初の国民的ヒットとなったのが「リンゴの唄」だった。敗戦に打ちひしがれた人々の心を勇気づけた。

美空ひばり

昭和を代表する大スターであり、時代が平成に変わったと同時に没すると国民栄誉賞を授与された。幅広い層への人気は空前絶後だった。

江利チエミ

まだ「戦後」という言葉が生々しかった50年代に、英語の歌でデビューしたことに人々は驚く。実写版「サザエさん」で庶民性も発揮。

雪村いづみ

ひばり、チエミ、いづみが揃ったことで、日本のアイドル史の雛型となる「三人娘」が完成。亡くなった2人との絆を今に伝えている。

ザ・ピーナッツ

抜群のハーモニーも、クレージーキャッツとともにコントに取り組む姿勢も魅力。さらに「モスラ」の小美人は最大のハマリ役だった。

こまどり姉妹

ピーナッツに対抗し、演歌版の双子の姉妹として売り出された。大病やファンからの襲撃という不運はあったが、今も2人して現役だ。

(石田伸也)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
【NHK朝ドラ】今田美桜と河合優実の「見事なあんぱん」が弾む出色CMがコレだ!
2
橋本環奈だけじゃない…NHK朝ドラが「黒歴史」へと暗転したヒロイン女優たち
3
ヤクルト・村上宗隆「上半身のコンディション不良」って何?「ポスティング移籍金」に影響するからと…
4
【GⅠ高松宮記念ズバリ!】「良馬場」ならナムラクレア「稍重以下」ならマッドクール」が軸になる「ウハウハ馬連5点」
5
「種付け料トップ」になった「キズナ産駒」が勝つわ勝つわ!勢いが止まらない「春の重賞戦線」