今年6月に行われた「AKB48 41stシングル選抜総選挙」で、80位以内にグループから27人がランクイン、23人が選出されたAKB48を抜いて、AKB48グループの第一党となったのがSKE48。来年はさらなる快進撃が期待できるとまで言われているが、その強さの秘密には意外な要素があげられている。
しかし実情をいえば、人気メンバーの松井珠理奈とWエースの一角を張っていた松井玲奈が、今年8月に卒業。さらに13年の「第1回AKB48グループ ドラフト会議」においてSKEチームKIIに第1巡目で指名され、3月にリリースされた「コケティッシュ渋滞中」で初選抜に選ばれた期待の若手・神門沙樹も11月中での卒業を発表。中心メンバーと次世代メンバーが抜けた穴は非常に大きいのは火を見るより明らか。
さらに上記の2人だけでなく、有名・無名に限らずグループを去るメンバーがかなり多いという事実もある。昨年の選抜総選挙終了後から現在までの約1年4カ月ほどの間に16人が卒業。これはAKB48の14人、NMB48の11人と比べてもわかるようにAKBグループではダントツの数字だ。
グループを去るメンバーがあまりに多いことから、一般的には今後を不安視する声も大きい。ところが、そのグループの循環の良さにこそ強さの秘密があるとアイドル誌ライターは解説する。
「これは圧倒的にプラスですよ。芸能に限らずどの世界でも世代交代の難しさは常に叫ばれていますが、SKE48はそれが一番潤滑に行われているといえます。今年で7年を迎えたSKEですが、現在の1期生メンバーは松井珠理奈と大矢真那のわずか2人。12月で結成10周年を迎えるAKB48に1期生メンバーが3人(高橋みなみは12月に卒業予定)いることから考えても、SKEにはニューフェイスが活躍できる環境が一番整備されている。今年の総選挙でも、前評判では昨年の総選挙のランカーが6人も卒業しSKEの失速は確実とまで言われていましたが、蓋を開けてみれば第一党。ファンの熱気がすさまじいと言われるSKEファンだけに、抜擢された若手が期待に応える活躍を見せれば想像以上の応援が後押ししてくれるわけです。メディアはすぐに人気メンバーのいなくなった穴を憂う傾向にありますが、ファンを飽きさせず、人気持続の生命線でもある“マンネリ”を回避できているという部分がSKEの強さなんです」(アイドル誌ライター)
最近では神門の同期でドラフト生として同チームに加入した惣田紗莉渚が、10月からスタートしたAKBグループの新番組「AKB48の今夜はお泊まりッ」(日本テレビ系)で存在感をアピール。他のメンバーが引いてしまうほどの積極性を見せ、その貪欲ぶりで注目を集めている。
いい意味で実力主義。ピンチが常に若手の台頭のチャンスとなるSKEが、2016年もグループを引っ張っていくのは間違いない。
(石田安竹)