スポーツ

スタン・ハンセン 来日緊急インタビュー!“シニア世代への熱血エール”「天龍との戦いにはリアルな反応が起きていた」

20151203s

 常に全日本のトップレスラーとして君臨し続けたハンセンにとって、印象深い日本人レスラーは他にも少なくない。「四天王プロレス」を確立したのちの全日本、プロレスリング・ノアのエースとして活躍した三沢光晴からは、精神的な強さを感じていた。

「(09年6月に)三沢が逝ってしまったのは、非常に残念だ。とても危険度の高い、恐ろしい技を食らっても立ち上がって、向かっていこうという姿勢があったから、そうなってしまった。だが、それがプロレスなのだ。プロレスとは、そういうものなのだ」

 常にトップにこだわり続けたハンセンは、三沢にトップのポジションを譲るつもりはなかった。何度も叩き潰すが、それでも三沢ははい上がり、92年8月の三冠王者戦でついにシングルでハンセンから初勝利を奪った。三沢とは、その後も激闘を続けたライバルでもあった。過去の死闘の裏側をハンセン自身が初めて明かした。

「お客さんが気づいていたかはわからないが、三沢のエルボーは、耳の後ろあたりに入れてくる。そこをわざと狙ってきた。耳の後ろは、非常に危ない個所なのだ。そういう急所に入れられたりしたら、当然、やり返さなきゃいけない。それがリングの常識だ」

 今回の来日でハンセンは、現役時代に数々の激闘を演じた天龍源一郎の引退セレモニーにも参加した。ハンセンにとって天龍は日本人の対戦相手としてベストであり、激しくやり合ったが、心からリスペクトしている存在だった。

「天龍とは、若手時代にアメリカで一緒の車で会場へ行ったことから始まって、控え室まで追っかけ合って大喧嘩したり、実質的な最後の対戦相手だったりと、不思議な縁を感じずにはいられない。タッグを組んだこともあった。通常は、試合前に作戦の打ち合わせをするものなのだ。『向こうが、これできたらどうする?』とか。だが、私たちの場合、試合前の作戦など無意味だった。なぜなら、私も天龍も自分が何をしでかすか、まったく予測不可能だから。だからリアルなアクションが起きる。それに対して、リアルな反応が返ってくる。もう、それだけだ。自分たちはそういうスタイルでやっていた」

 プロレス人生を完全燃焼し、引退後も最高の日々を送っていると語るハンセンが、最後にこんなメッセージを送ってくれた。

「引退して15年という歳月がたっても、ファンが自分のことを覚えていてくれるのはとても光栄なことだ。本には、引退後の人生で経験したこと、引退した今だから落ち着いて話せることを書き連ねた。私の考え方がベストだとは言わないが、希望を持つ後押しになるような言葉を一つでも感じていただけたら幸いだ」

 ハンセンのロングホーンは、今でもファンの胸にこだまする。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論