声優活動や劇団の主宰でも知られる作家の本谷有希子が、第154回芥川賞を受賞。芸人の又吉直樹が受賞した前回に比べるとメディアの扱いも小さくなっているが、実はこの本谷、又吉に負けず劣らず話題性に富んだ作家なのだという。演劇に詳しい女性誌ライターが語る。
「ついに彼女が師匠を超えたのかと驚きましたね。というのも本谷さんは、劇団・大人計画を主宰する松尾スズキさんの弟子的な存在だったからです。松尾さんは芥川賞候補に2回なったものの、受賞は逃していますので、今回の結果は松尾さんとしても嬉しいんじゃないでしょうか」
演劇に興味がない人にはなじみの薄い松尾だが、大人計画からは「あまちゃん」(NHK)の脚本家で知られる宮藤官九郎や、実力派俳優の阿部サダヲらを輩出しており、演劇界での松尾はまさに重鎮。一方で酒井若菜との不貞行為が原因で最初の妻と別れるなど、モテオヤジとしても知られている。女性誌ライターが続ける。
「離婚後には本谷さんと同棲していたという話もあり、2011年ごろには結婚も近いと噂されていました。そんな二人の出会いは、松尾さんが講師を務めていた演劇系の専門学校に本谷さんが進学したこと。卒業公演に際して『台本を書いたほうがいい』とアドバイスしたことが、彼女が“松尾チルドレン”になったキッカケです。当時はまだ松尾さんが酒井さんと知り合う前ですから、前妻との離婚も本当は酒井さんではなく本谷さんが原因だという人もいるくらいですね」
二人の交際は演劇ファンの間では常識だったそうだが、当の本谷は2013年に詩人と結婚。この前後に小説家としてぐんぐんと名をあげ、野間文芸新人賞、三島由紀夫賞、そして芥川賞と純文学新人賞の三冠を達成することとなった。男を踏み台に成長する本谷のワイルドな生き方をぜひ、そのまま演劇にしてもらいたいものである。
(白根麻子)