ストーカー殺人や腹上死、偽装結婚やマザコンなど、昼ドラには欠かせないドロドロ要素がてんこ盛りだったのに、不評のまま最終回を迎えた「新・牡丹と薔薇」(フジテレビ系)。「財布ステーキ」「たわしコロッケ」といったビックリ料理や、「役立たずのブタ」「このイノシシ野郎」などの名セリフを生み出し、主婦層を虜にした「牡丹と薔薇」(フジテレビ系)のリニューアルバージョンとして期待が高かったが、視聴者からは「ひどすぎる!」の大合唱が起きている。他局のテレビ制作スタッフが語る。
「今作は前作よりも放送期間が1カ月少なかったため、小さな物語を丁寧に積み上げて大きな物語を構築することが難しかった。『観ているうちに面白くなるのでは』と観続けていた視聴者からブーイングが起きるのも納得の残念なシナリオでした」
さらに、ベテランの演出家はこう指摘する。
「メインの姉妹を演じた黛英里佳と逢沢りなのアクが弱すぎました。脇役の伊藤かずえや田中美奈子のほうが『うわっ!』と驚くような魅力があった。特に田中美奈子は、姑を演じたらナンバーワンと言われる野際陽子に勝るとも劣らない嫌味ババアぶりが秀逸だったので、今後はこの手の役柄のオファーが殺到するのではないでしょうか」
元ダンナを腹上死に至らしめた田中。コテコテな設定を納得させるだけの演技力を見せつけ、この昼ドラで唯一、役者としての株を上げたようだ。