3月17日、清原和博被告が44日ぶりに保釈された。400名以上の報道陣が警視庁前に待ち構える一方、もう一人のキーマン・野村貴仁氏も高知県の自宅からひっそり姿を消していた。各メディアが血眼で探し続けた“渦中の男”は清原を襲撃すべく、東京を極秘訪問していたのだった──。
3月16日、清原和博被告の保釈を前日に控えた夕方。携帯電話が鳴り、画面には「野村貴仁」という不穏な4文字が表示されていた‥‥。
「今、東京におるんやけど、どこかいい観光地ないか。案内できへんか」
前日深夜3時まで高知県の野村氏宅で会話をし、「また高知に来いよ」と別れたばかりだった。その男が十数時間後、なぜか東京にいる。理解が追いつかない記者に対し、野村貴仁氏(47)は当然のごとく言い放った。
「明日、清原の保釈やろ?清原が『野村を許せん』と言うてるのが本当かどうか。警視庁と清原本人に確認したろうと思ってな」
以前に報じたが、清原被告が保釈後、野村氏に“お礼参り”する可能性を示唆した夕刊紙報道がいまだ腹に据えかねているようだ。「騒動になるからやめましょう」と言う記者の制止もむなしく、「大丈夫や、やっつけたる」と豪語する野村氏。思えば記者も各メディアも振り回され続けてきたが、こう口を開いた。
「そもそも、俺は覚醒剤をやっていたのは一時期だけで、きっぱりやめている。そんな俺に覚醒剤の怖さや禁断症状を聞きに来るメディアもアホやろ」
この日も弁当を平らげながら話す姿を見ると、空腹感とは無縁になるとも言われる覚醒剤の影はないようだ。だが、体の一部と言わんばかりに常にビール缶を握りしめている姿しか見ていない記者には、別の疑問も湧いてくる。
「アル中? アホなこと言うな。これ見てみ」
そう言い放つと、1枚の紙を渡してきた。中身は野村氏が受診した昨秋の健康診断の結果だ。目を通すと、驚くことに全ての項目が基準値内である。
「シャブやっとったらこんな数値にならへんわ。むしろ○○(記者の名前)君のほうこそ、シャブやっとるんやないか? (目の下の)クマひどいで」
あらぬ疑いをかけられては元も子もない。「睡眠不足なだけです」と否定すると、野村氏は急に心配した顔つきを浮かべた。
「寝れへんのか。それで仕事って大丈夫か。心配やわ。そうや、ええもんあったわ」
そう言うと、自身のバッグをあさりだした野村氏。そして、先ほどの話を反故にするような衝撃的な言葉を口にしたのだ。
「実は新型グリーニーあるんや。これ飲め。寝なくても大丈夫になる」