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「プロ野球セ・パ」覆面フルスイング座談会!(2)巨人・高橋新監督が注目されない理由

20160602j

C それにしても、このO氏ジュニアの逮捕といい、野球賭博問題といい、清原事件といい‥‥。巨人はグラウンド外のスキャンダルで何かと話題を振りまいているけれど、肝心のペナントでは何だかんだで上位に食い込んでいるよな。

D ええ。ただし、球団にとって頭が痛いのは、高橋由伸新監督(41)にあまりスポットライトが当たらないことです。とにかく、この新監督は滑舌が悪く、試合後の囲み取材でも正直に言えば、かなりのぶっきらぼう(苦笑)。だから、メディアは監督ネタをあまり扱わない。チームのメディアへの登場を極力増やしたい球団としては、本来なら由伸監督に「もっと報道陣に協力しなければダメだ」と注意したいところでしょうが、なかなかそうもいかないのが現状です。

A そのヒントは、これまで高橋監督が巨人一筋で歩んできた道のりにあります。97年のドラフトで、ヤクルトを逆指名することが九分九厘決まっていながら土壇場で家族からの説得があって巨人入団へと気持ちが傾いた。ハッキリとした裏付けを取ることは難しいですが、一説によれば、不動産事業に失敗して多額の借金を抱え込んだ実父のために当時、水面下で巨人側がポーンと全額返済したという話が複数の筋から聞こえてきています。まあ、球界では有名な話ですが‥‥。

B しかもだ。昨オフだって原辰徳前監督(57)が退任し、次の指揮官がなかなか決まらない時、現役だった高橋に引退を迫って新監督就任への外堀を埋めた。そういうさまざまな経緯があって負い目があるから、球団としては高橋監督にはなかなかはっきりモノを言うことができないわけです。

C ある意味、球団がコントロールできていないというのはちょっと情けないよなあ。チームが好調なうちはいいけれど、負けが込んできたらビシッと言わなきゃいけない時が必ずやって来る。それでも“放置プレー”のままだったら、意思の疎通も後々にうまくいかなくなるのは目に見えているよな。

D あまりにも高橋監督のコメントがつまらなすぎるから、その“代役”として球団側は村田真一ヘッドコーチ(52)に「メディアにどんどんしゃべってくれ」と通達しているそうですからね。こういうところにも、両者のギクシャク感が見え隠れし始めている。

A 巨人にとって頭の痛い話といえば、まだありますよ。コンディション不良で開幕から二軍調整中の阿部慎之助(37)の存在です。5月末から始まる交流戦期間中の一軍復帰が濃厚と見られていますが、チーム内からは「いまさら帰ってきてもらっても‥‥」と困惑の声が次々と噴出している。

C そりゃあ、そうだよな。現状、チームの正捕手を務めている小林誠司(26)が投手陣をうまくリードしているからね。エース・菅野智之(26)を筆頭に大半の投手が小林とバッテリーを組むことに好印象を持っている。開幕前から先発のコマ不足と言われていて、先日もポレダ(29)が左上腕部の張りを訴えてセカンド・オピニオンを受けるため、一時帰国。明らかな人員不足の中でも小林は「マウンドから気持ちよく投げてもらう」という考えをモットーに、苦手だったコミュニケーション取りにも積極的で、非常によく先発陣をコントロールできていますからね。

B これがもし復帰早々から阿部がマスクをかぶるとなれば、一気に眠っていた“投壊現象”があらわになる可能性もあるだろうな。若手投手陣が急に「鬼軍曹」の阿部とバッテリーを組むとなると完全に萎縮してしまうかもしれないから。

A そうなると、やっぱり阿部は交流戦でDH制が用いられる敵地で指名打者としてスタメン起用するか、あるいは代打要員としてスーパー・サブにするしか道はないでしょうね。いずれにしても今季のキーマンとして就任早々から阿部の名前をあげていた高橋監督としては、その起用で非常に難しい決断を強いられることになりそうです。

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