タンポポは中国では生薬名「蒲公英(ホコウエイ)」と言い、むくみ改善、冷え性改善、便秘改善健胃作用、強肝作用、血圧低下・血糖値抑制作用、解熱などに使われ、またヨーロッパでも肝臓や胆嚢の他、尿路結石等の治療に利用されてきた。
しかし、タンポポのすごい効果はこれだけではなかった。バスクリン社がタンポポの根(生薬名:ホコウエイ根)の研究を長年続けた結果、ホコウエイ根エキスに高い発毛、育毛作用があることを発見したのである。
「さらに遺伝子レベルの研究を重ねた結果、ホコウエイ根エキスには、髪のケラチンを束ねたり、毛包を構造的に強くする3つのタンパク質(レペチン、トリコヒアリン、インボルクリン)の産生を同時に促進する効果があることがわかった」(医療ライター)
発毛促進因子や脱毛因子に着目した研究は進んでいるが、毛包を構成するタンパク質に着目し「3つのタンパク質の同時産生」を促し、髪の毛を太くし、内毛根鞘をも強くする素材やそのメカニズムを解明したのは世界初なのだという。
同社ではこれを製品化しているのだが、手軽に同様の効果を得る方法があった。漢方薬に詳しい管理薬剤師の山田徳子氏が言う。
「タンポポコーヒーです。名前にコーヒーと付いていますが、風味や飲み口がコーヒーに近いことからこう呼ばれているだけ。これにはクロロゲン酸化合物が含まれていますが、クロロゲン酸は強い抗酸化作用があることが知られており、アンチエイジングへの効果が注目されている。カフェインは含まれていないので、誰でも飲めます」
作り方は簡単だ。採ってきたタンポポを水洗いし、根を1、2センチの長さに切って水にさらし、灰汁(あく)を抜く。そして細かく刻む(フードプロセッサーを使えば簡単)。それを天日などで乾燥させ、フライパンで強めに焙煎して(風味を出す)完成だ。
この時季、まだ道端にはタンポポが残っている。個人差はあるだろうが、ダメ元で、さっそく採取して試してみてはどうか。
(谷川渓)