強面のプロレスラー蝶野正洋が意外な方法で小さな地方都市を救っていたことが明らかになった。蝶野が救ったのは茨城県大洗町。人口約1万6000人、太平洋に面した町である。
この小さな町が前年から約26倍、2億64万6000円ものふるさと納税を受けた。さらに大洗町を通る大洗鹿島線を運行する鹿島臨海鉄道は2540万もの経常利益を出し、2期ぶりに黒字となったことが鹿島臨海鉄道から発表されたのだ。
「地方のローカル線はどこも厳しく、ほとんどの鉄道会社が赤字を計上しています。地方自治体からの補助金が打ち切られれば即倒産という会社も少なくありません。そんな中、鹿島臨海鉄道が黒字になったのは異例と言っていいでしょう」(鉄道ライター)
奇跡の復興を遂げた理由は、大洗町がアニメ「ガールズ&パンツァー」(通称「ガルパン」)の舞台となり、聖地巡礼をするファンが大挙して町を訪れたためである。またガルパンとタイアップした食品をふるさと納税の返礼品としたことで、大幅に納税額が増えたと見られている。
「それならば大洗町を救ったのはガルパンのファンではないかと思うかもしれません。ですが、ガルパンは2012年10月から2013年3月に放送されたアニメです。入れ替わりが激しいアニメの世界では、かなり昔の作品といってもいいでしょう。そのガルパンをたまたま目にした蝶野が大ファンになり、面白いアニメだとPRしたことでさらに火がついたのです」(マスコミ関係者)
昨年公開された劇場版ではついにオフィシャルサポーターを務めるまでになり、映画の大ヒットに貢献した。ガルパンの人気を押し広げたのは蝶野、となれば大洗町を救ったのも蝶野ということになる。
「蝶野はテレビのバラエティ番組でガルパン愛を熱く語り、今では『ガルパンおじさん』と親しみを持って呼ばれるようになりました。ヒールのイメージを失ってしまいましたが、本人はまったく気にしていないようです。また蝶野は自身のファッションブランドを持っているのですが、そのショップの半分を使ってガルパングッズを売っていたこともあります」(アニメライター)
愛は地球を救う、ガルパン愛は大洗町を救ったというわけだ。