「チームの雰囲気は最高で、優勝に向かって一直線です!」
と、まくしたてるのは「カープ芸人」として知られるお笑いコンビ「ザ・ギース」の尾関高文。快進撃を続けるチームにあって、結束の中心にいるのは黒田、新井の両ベテランである。
「新井さんの通算2000安打達成時にお祝いの会があり、選手たちが広島市内で一堂に会しました。黒田さんは新井さんにシャンパンをプレゼントしました」
日米200勝が間近に迫る黒田を巡っても、チームは一丸となっている。
「先日、『野手の力で黒田さんに白星を贈ろう』という意味で、東出打撃コーチが『黒田を白田に!』とベンチ裏のホワイトボードに書き込んだんです。黒田さんが登板する日の打撃陣は特に気合いが入っていますね」
さらに黒田のユーモアが、ベンチ裏を和ませる。
「黒田さんは僕らのコントを見てくれているほどのお笑い好き。チーム内でもギャグを連発し、若手のリラックスにつながってますね。黒田さんの仕掛けるイタズラやドッキリでは爆笑が起こっています」
それは例えば、「シート打撃で新井の強烈なライナーをキャッチしたあと、手が腫れたというドッキリで、グラブをはめていた左手にサッカーボール大のありえない巨大アイシングをして出てきた」というもの。あるいは「若手投手陣にピッチングの極意を教える『黒田塾』で、さまざまな状況での対応を教える際、『マウンドで感じる匂い別の投げ方』を解説する」なども。
実は今季、尾関はOBの前田智徳氏から「予言」を聞いていたという。
「開幕前、前田さんのトークショーで司会をさせていただいたんですが『鈴木誠也は間違いなく活躍する。あれほど練習する選手はいない』と言っていました。事実、鈴木選手は大ブレイク。前田さんは『今シーズンのカープは必ず上位に行く』と言っていたので、どちらも大当たりですね」
若手の著しい成長には意外な背景があるという。
「今季から二軍のトイレがウォシュレットになったんですよ。それで若手の調子が上がり、快進撃に結び付いているのかも」
最後に、尾関は「ある不安」を口にする。
「緒方監督はゲンを担いで、連勝中は絶対にパンツを洗わないんですよ。今後、カープが勝ち続けると監督のパンツがどうなってしまうのか、心配でしかたないですね‥‥」