仮面ライダーがファンから金を無心──。ウソのようなホントの醜聞に、恥の上塗りとなる「無反省余罪」が発覚した。被害者多数、莫大な借金を踏み倒した正義のヒーローは、返済を迫るファンをひき殺す寸前だったというのだ。
借金騒動が明るみに出たのは昨年2月のこと。「週刊ポスト」誌上で、80年放送開始の仮面ライダーシリーズ第7作「仮面ライダースーパー1」(TBS系)で主演を務めた俳優・高杉俊介(66)が、ファンから総額5000万円超の借金をしている、と報じられた。
ここ数年はめぼしい仕事もなく、だまし取った金は生活費に消えたと見られる。
借金の内訳は、1人約2400万円という“大口”が2件、他にも数万円から数十万円を複数のファン、関係者から借りており、そのほとんどを返済していない。高杉が09年の一時期だけ俳優として所属した制作会社の社長で、自身も借金トラブルに巻き込まれた平山陽氏が語る。
「私たち関係者の間では、高杉のことを“つきもの”と呼んでいます。まるで取りつくように寄生先から借金を重ねているからです」
金を引っ張るための泣き落としの手口も多彩で、
「ヤクザから(仮面ライダーの)変身ベルトを取り戻したい」
「明日までに金を払わないと東京湾に沈められる」
「これから闇金融に行ってきます」
と、手を変え品を変え理由を作り、相手の同情を誘うのだという。
「“ヒーローなんだから、お金を返さないはずがない”と思ってしまうんだそうです。そんなバカな、と思われるかもしれませんが、そういう洗脳状態に持っていくのが非常にうまいと思います」(前出・平山氏、以下証言は平山氏)
その“洗脳”が解けたファンから訴えられ、今年4月8日に本件では初となる裁判が開かれた。高杉が出廷しなかったため、平山氏や大口被害者の女性ファン・Aさんらが自宅を訪ね、高杉が土下座して返済を約束した場面は、複数の情報番組でも報じられた。
そして、4月22日、前回とは別の元ファンによる裁判が再び開かれた。しかしまたも高杉は現れない。
「もう一度、高杉の自宅を訪ねました。でも誰もいる気配がない。帰ろうとしたところ、偶然近くのスーパーマーケットに高杉の車が止められているのを見つけたんです」
平山氏らが前回訪問時に確認したところ、高杉の車はふだん、家の近くに路上駐車されており、あげく車検の期限が平成27年10月で切れていたという。
「それらしき車がある、と近づいてみてわかったんですが、運転席と助手席のシートを思い切り倒して、高杉本人と、彼と同居している20~30代の女性がそこに身を潜めていました」
つまり、“裁判がある日はあいつら(ファン)が家に押しかける”と「学習」した高杉が、わざわざスーパー駐車場に避難して隠れていたのだ。さて、平山氏らがゆっくり車に近づくと──。
「高杉の車が急発進したんです。それを止めようと、我々の一人が進行方向に立ちはだかったんですが、車はブレーキもかけずに一気に走り去っていきました」
ひかれる寸前だった男性は、減速しない車に驚いて身を翻したが、そのとっさの判断がなければどうなっていたことか‥‥。
5月30日に放送された「とくダネ!」(フジテレビ系)のインタビューで、高杉は借金について、こう語っている。
「逃げたりとか隠れたりとかするわけもなく、真摯にこれから本当に少しずつですけど、頑張ってお返ししていこうと思っています」
ここまで言行不一致が徹底しているとは、かえって見上げたものか‥‥。実は、寸借詐欺まがいの無心は、発覚よりずっと以前から続けてきたようである。
「ライダー時代に、子役のお母さんから金を借りたことがある、とも聞きました。今回の騒動は氷山の一角で、現在進行形で無心を受けているファンがいてもおかしくない」
週刊アサヒ芸能も高杉に取材を試みたが、何度電話してもつながらなかった。ヒーローという“仮面”をかぶっていても、借金怪人の本性は隠せなくなってきたか──。