混迷の度合いを深める築地市場の移転問題。9月28日からの都議会本会議では、小池百合子東京都知事が石原慎太郎元知事を呼び出すかどうか、「激化」が予想されている。両者の50年の愛憎に決着が着くのか──「盛り土」をもっても浄化しきれない、移転を巡る「10の衝撃真相」が取材で噴出した!
「間もなく84歳になる年齢の影響もあって、たとえ重大な事柄であっても記憶が薄れたり、勘違いをしたりすることも考えられます」
在任期間中に豊洲移転を決定した石原慎太郎元都知事(83)は「謎の地下空間」の責任の所在を追及されると、高齢を言い訳にこう煙に巻く策に打って出た。
飛ぶ鳥落とす勢いの小池百合子都知事(64)の猛追を受け、石原氏はもはやお手上げと白旗を揚げた格好だ。両氏の遺恨と言えば、今年7月の都知事選で、石原氏が「大年増の厚化粧」などと小池氏を罵倒し、敵対したことが記憶に新しい。政治部デスクが解説する。
「本来2人はタカ派的思想で政治家としてのイデオロギーも近い。実際、14年に5000万円の資金提供問題で辞任した猪瀬直樹氏(69)の後任候補として、小池氏を擁立しようとしたのが当の石原氏。『必要な金も出す』と言うほど小池氏にほれ込んでいた」
しかし、当時対立候補には、絶大な人気の舛添要一氏(67)が控えていた。そこで、小池氏は出馬を見送ったという。そもそも小池・石原氏の関係は50年も前まで遡る。ジャーナリストの森省歩氏が語る。
「小池知事の父、勇二郎氏は貿易商でしたが、一方で小説家・石原慎太郎を総理にするための政治団体『日本の新しい世代の会』の理事でもあった。68年に石原氏が衆院選で全国区トップ当選を果たした翌年には、みずからも兵庫の選挙区から出馬したが、落選している。当時、小池知事は高校生でしたが、タカ派論客だった勇二郎氏と石原氏は肝胆相照らす仲だっただけに、親子ともども昵懇の関係でした」
その仲は13年間みずから温めた、都知事の座の“百合子禅譲”を画策するほど良好なものだった。が、突如手のひらを返したのは石原氏のほうだ。
「16年都知事選の事前調査で、小池氏をリードしていたのは自民推薦の増田寛也氏(64)。それに乗って、今回の問題などを含めた、慎太郎時代のミスをナシにしてもらうつもりだった。しかし小池氏を罵倒までしたのは、長男・石原伸晃都連会長(59)=当時=に小池氏が反旗を翻したため。愛息を思うあまり、憎悪を増したものだと言われている」(前出・政治部デスク)
高齢から来る判断ミスか、今や立場は完全に逆転。今後、小池氏はどう打って出るのか──。
「小池氏は豊洲問題では犯人探しが目的ではないと発言している。しかし『虚言癖の厚化粧』と誹謗された怒りは深い。父の代から恩顧を受けた相手とはいえ、徹底的にやり返す覚悟を固めていた。豊洲新市場の地下の空間などの先にある、石原都政時代の闇まで暴く構えです」(前出・政治部デスク)
半世紀の因縁から来るバトルは、豊洲地下空間より深く暗いもののようだ。