11月17日未明放送の「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に、純愛小説「アナログ」の宣伝のため、ビートたけしが「小説家」として登場。のっけから「たけし節」を、こうかました。
「小説は50冊も出しているけど、自分の手で執筆したのは初めて。これまでのように、しゃべったものを文字に起こすのは、細かいニュアンスが伝わらないからダメだね。出版元の新潮社が、『自分では書いていないって言うの、やめて』って止めるんだけど」
「アナログ」を書いたのは又吉直樹の芥川賞作品「火花」を読み、文学的な書き方に刺激を受けたから、というのが執筆の動機で、純愛小説にした理由は「欧米ではバイオレンス映画は人気がない。それに、よく『たけしの映画は男女の話がない』って言われているから」とのこと。もともと映画化を想定した脚本があり、それをベースに小説に書き直したという。映像では10秒で済むところを1ページ以上書かなくてはならず大変だったとか。
番組MCの稲垣吾郎と外山恵理アナが「アナログ」の一節を朗読すると、たけしは「汚物を見せられているみたいで、ホントに恥ずかしい」と照れ笑いしまくっていた。そして、番組の最後、外山アナから人生の転機を迎えた稲垣へのアドバイスを求められと、「幸福の科学に行ったらどうか」と一発カマしてから、真剣な表情でこう語ったものだ。
「結局、あらゆる物は転機というか、人間だったら死ぬことなんだけど、それで遺伝子を残して、延々、消滅と生まれ変わりを繰り返すわけ。転機も同じだから、転機はいっぱいあったほうがいいと思う(中略)転機がいろいろあるっていうことは、進化している証拠なんで、ありがたいと思ったほうがいい。チャンスというか、また転機が来たら、脱皮だと思ったらいい。蚕が繭から蚕蛾になって、羽化するまでの飛び立つ段階だと思えば、実に今いいとこ来てる。そう思ったほうがいい」
最後は例によって、「成功したらお金貸して」とオトしたが、稲垣は「ありがとうございます。うれしいなあ」と感激。目には光るものがあった。
この“エール”は稲垣ファンの胸にも響き、野球中継の影響で番組が深夜スタートだったにもかかわらず「感動しました」「たけしさんの言葉は心強かった」などの投稿がネットに続出。ネットテレビでの好調が話題の稲垣ら元SMAPだが、たけしが演出したとはいえ、地上波でも元SMAPの面々こそ、今、もっとも数字を持っているのかもしれない。そう思わせるほどの、深夜の盛り上がりなのであった。