「尋ね人、宝生舞さん見つかる──」
6月17日に日刊ゲンダイが報じたことで、“消えた芸能人”問題が急浮上した。
テレビ局が過去の番組を再放送したり、ソフト化する際には出演者からの許諾が必要となる。そのため、一般社団法人「映像コンテンツ権利処理機構」は、11年1月から「不明権利者一覧」を公開。これまで84名の連絡先が判明している。
延べ2000人以上の“行方不明者”の実名が連記されたこの一覧。リスト漏れした人も含めると、2500人を超える行方不明芸能人がいるという。多くは、大河ドラマなどで端役を務めた俳優・女優たちである。
しかし“尋ね人”として、98年放送の「ショムニ」(フジテレビ系)にも出演した“大物”宝生舞(38)の名があったことから騒動となった。同機構が情報提供を呼びかけていたところ、所在が明らかになり、冒頭の報道となったものだ。
「記事の反響は大きく、それまでは1カ月に1、2件だった情報提供が、宝生さんの記事が掲載された17日以降、1週間で約15件と飛躍的に増えました」(機構の担当者)
「尋ね人」には、71年公開の名作邦画「八月の濡れた砂」(日活)で女優デビューしたテレサ野田(58)の名もあった。
のちにロック歌手に転向した野田は、83年に東京音楽祭歌唱賞を受賞するほどの実力派。当時マネージャーを務めた上条英男氏が“失踪前夜”の様子を語る。
「ロスで一緒に2年くらい地道にライブ活動を続けた成果だろうね。賞をもらった日に『あなたほど感謝したい人はいない』と言ってくれた。しかしその翌日、ある米国音楽関係者にだまされて再び渡米してしまった。噂では、向こうで精神的にも消耗したのか、ボロボロになって帰国したと聞いたけどね。この騒動でもう一度連絡をくれれば‥‥」
86年にひっそり復帰したものの、93年に再失踪。その後の行方はようとして知れない。
同じくリスト入りしたのが00年のNHK朝ドラ「オードリー」主演の岡本綾(32)だ。06年に当時、妻帯者だった中村獅童が飲酒運転で捕まった際に同乗していたことが発覚した。
「あの騒動と獅童に弄ばれた傷あとは大きく、一時はノイローゼ状態となり、翌年CM契約満了後に休業しました。そのCM撮影で訪れたオーストラリアで会った現地コーディネーターと交際。今は芸能界を完全に引退して、オーストラリアに住んでいるようです」(芸能プロ関係者)
醜聞が芸の肥やしとなることが多い時代に、珍しいケースだ。完全引退状態といえば93年のドラマ「高校教師」(TBS系)での薄幸な女子高生役が今でも鮮烈なのが桜井幸子(41)だ。
「酒井法子、深田恭子‥‥、主演女優との恋仲がたびたび取りざたされた脚本家・野島伸司氏ですが、桜井が一番のお気に入りでした。『高校教師』以外にも自作に出演させています」(TBS関係者)
しかし、桜井は野島マジックにはかからなかった。
前出・TBS関係者が続ける。
「桜井は、みずからはあまりしゃべらないおとなしいタイプという印象ですが、実は派手なロックミュージックが好きだった。キザでウエットな野島氏が好きではなかったのでしょう」
03年には音楽プロデューサーと結婚したが、2年で離婚。09年に突如女優を引退宣言したあとは、外国人男性と再婚している。