「安心してください、履いていますよ」のネタで人気の芸人、とにかく明るい安村が9月25日、東京のソフトバンク銀座で「iPhone 6s」を購入。さらに発売記念セレモニーにも参加し、「子どもの写真を撮ったりしたい」と嬉しそうな笑顔を見せた。
このように大企業の発表会にも起用されるなど、もはや一発屋のレッテルも剥がせそうな売れっ子ぶり。そんな安村がウケている理由を、お笑いに詳しいライターはこう語る。
「彼の芸には一発ネタやリズムネタの要素もありますが、実は話芸としての要素も備えています。リズムネタ芸人の多くはトークが苦手で、ネタを披露し終えると手持ち無沙汰になりがち。ところが安村はトークもこなせるので、発表会のゲストにもピッタリなんです」
発売記念セレモニーでも、新色のローズゴールドを見て、「ボクのパンツと一緒の色。奇跡ですよね!」といったリアクションを見せるなど、話を膨らませる話芸を披露していた。そんな話芸の源泉は安村が打ち込んでいたものにあると、前出のライターは説明する。
「安村はベンチ要員ながら甲子園にも出場した元高校球児。実は野球部出身の芸人には、トーク上手が多いのです。チームスポーツの野球では、部員同士の密なコミュニケーションが大事。試合中もお互いに声を掛け合ったり、細かいサインのやり取りが必要です。なにより打席では相手バッテリーとの駆け引きが重要。こういった要素が軽妙なやり取りを生む土壌になっているんでしょうね」
たしかに野球部出身の芸人は少なくない。千鳥の大悟やピースの綾部祐二、そしてバカリズムやスギちゃんも元高校球児だ。そんな野球部出身者にはもう一つの長所があるという。
「それは忍耐強さです。野球に限らず、体育会出身者はキツい練習に耐える体力と精神力が鍛えられており、少々のことではへこたれません。またスポーツには負けがつきもの。笑いがウケずに滑っても、それを負けとして潔く受け止める覚悟ができているでしょう」
もちろん、野球部出身の芸人が全員成功するわけではないが、野球経験がお笑い芸人にとってプラス要素になっていることは十分にありえそうだ。
(金田麻有)