これぞ球界激震だ。ペナントレースもほぼ終わり、残すはクライマックスシリーズ、そして日本シリーズを残すのみとなっているプロ野球界で、なんと現役の選手が「野球賭博」に関わっていたことが発覚したから大変だ。
読売巨人軍から公表された10月5日時点では、その賭博に関与したとされるのは、同球団の福田聡志投手(32)。しかも、彼を賭博に引き込んだ税理士法人勤務のA氏を紹介したのが、同じく同球団の笠原将生投手(24)というのだから、巨人軍だけでなく日本プロ野球機構(NPB)も顔面蒼白だろう。
国内のプロ野球、高校野球、アメリカのメジャーリーグでそれは行われたというのだが、その内容はどういったものなのだろうか。
「福田がハマった野球賭博というのは、その筋の関係者が元締めをやっていることが多い最もメジャーな賭けですね。ハンデ師と呼ばれる野球賭博を熟知した猛者がいて、毎日行われる試合にハンデを付けて参加者にハンデ表が連絡されるんです。賭け金は開催者によっていろいろですが、1試合1万円が一般的(勝てばプラス1万円になる)。たとえば巨人×阪神戦で巨人からハンデが2点出ていたとします。そこで巨人の勝ちに賭けた場合、巨人が3点差以上で勝たないと負けです。1点差勝ちなら負けで1万円はパー、2点差勝ちなら引き分けで元返しとなります」(週刊誌記者)
ところが、このハンデ師が付けるハンデが実に頭を悩ませる巧みさなのだという。1.5点や2.5点を意味する“1半”“2半”なる端数のハンデもあるというから驚きだ(1半なら2点差で勝った場合は勝ちだが、1点差勝ちなら負け。つまり元返しがない)。ほかにも細かいルールはあるのだが、ピッチャーの予告先発制度も絶妙なハンデに役に立っているのだとか。
「最初にルールを聞くと勝てそうな気がするんです。実際、一時的に勝つことはできる人はいます。ところが何試合も続けるうちにドツボにハマる参加者が多い。ですが、福田のように支払いのメールを無視して賭け金を払わない人間は少ないと聞きます。強制されている賭けではありませんし、やめたいならいつだってやめられる。じつは一般のサラリーマンでもやってる人は多いですよ。それでもバレてはまずいですから、負け金を払わない人のほうが珍しいそうです」(前出・週刊誌記者)
どちらにせよ、現役のプロ野球選手がプロ野球で賭けをすることは八百長に結びつく可能性もある。福田は今シーズン1軍登板のない2軍生活だっただけにその疑惑は低いだろうが、ともかく選手生命は風前の灯となったことは間違いなし。“紳士の球団”を自認する読売巨人軍はどういった対処に出るのだろうか。
(村岡タクミ)