深刻な視聴率低迷が続くフジテレビ。かつて「楽しくなければテレビじゃない」と豪語した同局だが、ちっとも楽しくない状況に‥‥。そこで、テレビじゃなくなる前に起死回生を狙って、禁断の一手を打つ!
フジ低迷の象徴が、司会に森高千里とアンジャッシュ渡部を抜擢、今春、同局では21年ぶりの生音楽番組としてスタートした「水曜歌謡祭」だ。ゴールデン帯にもかかわらず、初回から7%台にとどまり、いつしか3%台に沈み込むなど大コケ。10月からは金曜の深夜帯へと「都落ち」した。なぜか大コケの司会コンビはそのままに、「Love Music」と番組名を変え、ひっそりと再スタートを切っている。
「亀山千広社長の肝いりで森高を迎えただけに、『水曜歌謡祭』の失敗は大ダメージですよ」
と語るのは、同局の中堅社員である。
「もともとこの番組の司会のオファーを森高は断っていたんです。それを社長が拝み倒して迎え入れた。このまま終われば森高の顔を潰すことになり、引くに引けず、深夜帯への移動となったんです」
この社員によれば、局の威信をかけた「水曜歌謡祭」の制作費は1回3000万円。「Love Music」では1000万円程度まで圧縮したというが、
「改編後も森高のギャラは1回150万円で変わっていないと聞きました」(フジ制作スタッフ)
ところが「Love Music」の初回視聴率は3.7%(関東地区)。深夜帯であることを差し引いても、成功したとは言えない。制作スタッフが続ける。
「森高の所属事務所から『テコ入れ要望メール』が頻繁に届いているようです。それに振り回される担当スタッフも気の毒。フジには『音組』と呼ばれる音楽番組制作のプロ集団がいるんですが、こんなドタバタを繰り返していたら、愛想を尽かして他局に流出しかねない、と心配を口にする社員も少なくありません」
焦りが見えるのはこれだけではない。10月23日に行われた定例会見では「『27時間テレビ』について、『休止も含めた検討』を行う」と亀山社長が表明。局内外に衝撃が走った。前出・中堅社員によれば、
「『27時間テレビ』に限ったことではなく、どの長寿番組にも見直し案が出ています。社長を筆頭として幹部の大半が『育成路線』。古い番組を終わらせてでも20代から30代の若いスタッフを抜擢する方針を打ち出しています。もっとも、フジには80年代のノリを好む、ベテランよりもセンスが保守的で懐古趣味の若手が多く、課題は山積していますが」
そんな中、同局が視聴率回復の打開策として最もアテにしているのが「スポーツ番組」。プロ野球、フィギュアスケートに注力するほか、今年の大みそかには10年ぶりに格闘技特番を放送する。定例会見で「スポーツの躍動感を見せる」と意気込んだ亀山社長だが、
「幹部は新格闘技団体『RIZIN』に大きな期待を寄せているようですが、いまさらの感がありますよね」
と、前出・中堅社員は辛口だ。
さらに「期待されている番組」として、この中堅社員があげたのが、11月から始まる土曜深夜のドラマ「トランジットガールズ」。伊藤沙莉と佐久間由衣が主演のこの作品のテーマはなんと、「レズの恋愛」。フジのドラマ関係者は言う。
「自主規制の緩い時間帯なので、相当エグい描写が出ますよ。ハードなレズセックスも期待できるのでは。2人とも『脱げる』前提でキャスティングされたという話も聞いています」
バラエティ番組の「育成期間」に「スポーツ」と「レズ」で攻勢を仕掛けるというフジテレビだが、視聴率以外に心配な話題もチラホラ聞こえてくるのだ。
「社員の間では社長の『ある疑惑』が根強くささやかれているんです。それは‥‥カツラ疑惑ですよ。去年、社長がチャリティで行った氷水をかぶる『アイスバケツチャレンジ』も、疑惑払拭のためではないかと言われているんです」(前出・中堅社員)
復活の兆しはどこに──。