●ゲスト:酒井若菜(さかい・わかな) 1980年、栃木県生まれ。95年に芸能界デビュー、グラドルとして活躍。00年頃より女優業を中心に活動を始め、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」(ともにTBS系)などの演技で注目される。大の読書好きで自身でも執筆活動を行っており、13年より「水道橋博士のメルマ旬報」でコラム「くよくよしたって始まる!」を連載中。著書に「こぼれる」(春日出版)、「心がおぼつかない夜に」(青志社)など。今年2月に、最新刊「酒井若菜と8人の男たち」(キノブックス)が発売。
まぶしいグラドルとして登場したあと、個性的な女優へと転向。さらには本の執筆もこなすなど、多才な魅力を発揮してきた酒井若菜。しかし、これまでの道のりは彼女にとって決して楽なものではなかった。心を許す天才テリーにだけ、その切なる思いを打ち明けた!
テリー 久しぶりだよね。最後に会ったのは、もう10年ぐらい前?
酒井 たぶん、8年ぶりですかね。
テリー 何で、そんなに細かく覚えてるの?
酒井 私が初めて本を出した時にプロモーションでテレビの生放送に出させてもらったんですけど、その時にばったりテリーさんにお会いしたんですよ。その本が出たのが2008年ですから。
テリー そうか、もうそんなにたつんだな。で、先日「酒井若菜と8人の男たち」という新刊が出たんだね。これ、実は若菜に頼まれて、俺が帯の推薦文を書いてるんですよ。
酒井 ありがとうごさいました! すごくステキな文章で、編集さんにも「こんな帯文に恵まれた人いませんよ」って言われたんですよ。だから、私も「一生の宝にします」って。
テリー いや、読ませてもらってすごくおもしろかったから、素直な気持ちを書いたんだけどね。どうしてこういう対談の本を出すことになったの?
酒井 私、昔から本を読んだり文章を書いたりするのが大好きなんですけど、今回は水道橋博士さんの「藝人春秋」みたいな本を出せたらいいなっていうのがあったんです。
テリー ああ、博士がいろいろな芸人について書いたルポ・エッセイだね。
酒井 でも、博士さんみたいな文章力はないから、書きたい対象の方の言葉を直接引き出せる対談という形で協力してもらって、それからその方についてのエッセイを加えた二重構成にすれば、それに近い本が作れるかなって考えて。
テリー その博士をはじめ、板尾創路さん、ナインティナインの岡村隆史さん、俳優の佐藤隆太さんとか、対談相手は独特というか、クセのある人が多いね。これは若菜が選んだの?
酒井 そうですね。前から仲よくさせてもらっていたり、一緒にお仕事をさせてもらって「ステキだな」と思った方を中心にお声がけさせていただきました。
テリー 俺もずっとこの連載をやってるからわかるけど、対談をするといろいろなことを感じるじゃない。よく知ってるはずの人なのに「こんな一面があるんだ!」ってあらためて驚いたり。各ゲストの印象はどう?
酒井 対談の取材は、私自身安心感のある板尾さんから始めたい、と最初から考えていました。たまたまですが、希望どおりになって。吉本の裏側とか、娘さんのこととか、公私の話を両方してくださったので、楽しかったです。
テリー 板尾さんとの対話から、何かインスパイアされたところはある?
酒井 すごく印象的だったのが、得意不得意の話。板尾さんは「不得意なものはどんどん捨てて、自分の持っている強みだけを生かしたほうがいい」とおっしゃっていて、それはすごく勉強になりました。
テリー 確かに日本人は自分の弱みをどうにか補おうとするところがあるよね。
酒井 弱みをコンプレックスにしないで捨てちゃうっていう発想は、ちょっと驚きました。
テリー なるほど、好きなものをやっていくことによって、自分を伸ばすんだ。
酒井 たぶん、なかなか女性の先輩と話しても出てくる発想じゃない気がするんですよね。私はすごく男らしい潔さだなって思いました。