「20世紀のドラマ黄金期を懐かしんでいるだけ」と批判され続けてきたフジテレビが、またもや時代を読み違えてドラマを潰そうとしている。芦田愛菜が主役を務める日曜9時の連続ドラマ「OUR HOUSE」にて、オフコースの「愛を止めないで」が主題歌に採用されるというのだ。テレビ誌のライターが呆れた様子で語る。
「オフコースは素晴らしいバンドですし、『愛を止めないで』も間違いなく名曲です。とはいえ、1979年リリースの曲を37年後のいま、なぜ主題歌に起用するのか理解に苦しみますね。芦田はもちろん、義母役のシャーロット・ケイト・フォックスさえ生まれていない時期の曲を使わなくても、ほかにいくらでも時代に合ったアーティストがいますよ」
今回の選曲について、演出を務める永山耕三氏は、「テレビドラマにかかるべき曲を作るアーティストは、常々、小田和正さんだと思っています」と発言。今年60歳を迎える大ベテランの時代錯誤ぶりこそがフジテレビが凋落した原因の一つなのだが、なぜ局側がそれに気づかないのか。前出のテレビ誌ライターが続ける。
「永山氏は1991年に『東京ラブストーリー』を大ヒットさせ、フジテレビにこの人ありと言われた名演出家。しかし、それから25年経ち、もはや時代に乗り遅れていると断罪せざるを得ません。しかも同作品の脚本家だった坂元裕二はこの冬、月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で史上最低視聴率を更新したばかり。かつての黄金期を支えた功労者たちの神通力も、もはや通用しないのです」
そんな「OUR HOUSE」の脚本を担当するのは、これまた懐かしい名前となる野島伸司氏。スタッフが揃いも揃って“昔の名前で出ています”とは、フジテレビらしい先取りの姿勢はどこへ消えてしまったのか。新鮮味を芦田一人に負わせるのはあまりに酷というものだろう。
(金田麻有)