「誠意」の読み仮名は「カネでした」と、プロ野球ファンがあきれている。
横浜DeNAからFA宣言し、紆余曲折(?)のあげく、巨人への移籍が決まった山口俊投手に古巣のDeNAファンどころか、プロ野球ファンの多くから「FA史上最悪の嫌われ者」の罵声が浴びせられている。
「FAは選手の権利ですからこれは批判できません。しかし、山口はその舞台裏がマズかった。来季はFA補強をする予定のなかった横浜DeNAは、エース格の山口に3年契約5億円+出来高(推定)という、彼の成績からしたらかなりの好条件で引き留めに全力を注いだようですが、当の山口には何も響かなかったのか、選手会長という立場でありながら10月31日の全体ミーティングを無断欠席。この時点で移籍がほぼ確定と見なされました。しかし、その大人気ない態度にファンも激怒。その後、なぜか山口は囲み取材で涙を流しましたが、これもファンにはみっともないと映っただけでしたね」(スポーツ紙記者)
そして案の定、密約が噂されていた巨人が3年6億円を提示。やっぱりそうかとファンが失笑したのももつかの間、今度は先発陣が手薄な中日が5年10億円という破格条件を提示して、まさかのマネーゲームへと発展してしまった。
「ところが、山口は双方のファンからまったく歓迎されていなかった。巨人ファンからも中日ファンからも『そんな金額を払う価値はない』という声が大半でしたね。中日の破格提示を聞いた巨人ファンが『これで巨人に来なくなる』と安堵したといいますから、何とも情けない話です」(週刊誌記者)
しかも、このマネーゲームの真っ最中、選手会の納会で山口が「(移籍を決める基準は)誠意が一番」と発言したことも火に油を注いでしまった。「誠意はカネと読みます」「横浜に誠意がないような言い方は許せない」「これほど“誠意”のない人間は応援できない」など、プロ野球ファン全体から大バッシング。結局、巨人が「4年8億」へと条件を上方修正。この“誠意”が山口の巨人移籍を決定づけたという流れだ。
「野球ファンは中日をダシに使って条件を吊り上げたと、さらにバッシングしています。本人は『一番最初に声をかけてくれたのが巨人だった』ともっともらしく言ってますが、これも今まで応援してきた横浜ファンにはハラワタの煮えくり返る発言でしょう。まるで暗に密約があったと公言しているようなもの。正式に最初に声をかけたのは、横浜のはずですからね」(前出・週刊誌記者)
移籍が決まると、巨人ファンは「いらなかった」、中日ファンは「来なくてよかった」、横浜ファンは「出て行ってくれてよかった」の大合唱。来季の山口のピッチングがますます注目されることになったことだけは間違いない。
(佐々木たける)