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入院仲間の逮捕はASKAで終わらなかった。12月9日には、酒井法子の元夫で、同じく“入院仲間”だった高相祐一容疑者(48)が危険ドラッグの所持に続き、使用の疑いで再逮捕されたのだ。
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高相さんは、ある意味“異色”でした。というのも、入院患者にとって、社会復帰は大きな関心事。以前いた会社に戻れるだろうか、就職できるだろうか、という切実な悩みを抱いているわけです。そういう環境でも、高相さんは「一生遊んで暮らしたい」と漏らして、周囲の反感を買っていましたから。ただ、遊びといっても酒もあまり飲まないし、何をしたらいいのかわからなくなっていたのかもしれません。1年くらい前には電話で「今はサーフィンを頑張っている」と話していたんですけどね。「覚醒剤じゃないから」と軽く考えていたかもしれませんが、これまでの努力をフイにしてしまったのは残念です。
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6月に覚醒剤所持で逮捕された元俳優の高知東生(51)は、浮気相手の存在まで明るみに出て、人生のパートナーだった女優の高島礼子(52)を離婚という形で失った。
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仕事や家、そして家族と、失ったものが大きければ大きいほど、ドラッグを断ち切る心も強くなると信じたいですね。
そういう点では、ASKAさんにはまだ家もあるし、支えてくれる家族がいたから、ああいう結果になってしまったのかもしれません。
芸能人は、人気という実体がつかめないものを相手に商売をしている。だからいつも不安でしかたないんです。人気が落ちて、仕事は減ったけど、金も時間も腐るほどある。そんな時に、ドラッグがもたらす高揚感が、心の隙間にピタッとハマるわけです。売る側にしても、金払いがいい芸能人は上客。一般人と比べたら、多少は手に入りやすくなることも、ドラッグに走る芸能人があとを絶たない要因ではないでしょうか。
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こう話す石丸氏は、96年にみずからのドラッグ体験をもとに執筆したノンフィクション「スピード」(文春文庫)を上梓し、ベストセラー作家に。覚醒剤事件で容疑者となったのは、その前年のことだった。
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過去の歴史を振り返れば、ドラッグは本や音楽などの作品を生み出すための“道具”という見方もできるわけです。しかし、私の中にはジャンキーとしてのルールがあって、まずは、自分がいる国の法を逸脱してはいけない、ということ。
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話題は10月25日に大麻取締法違反(所持)で逮捕された高樹沙耶容疑者(53)に及ぶ。高樹容疑者は5月の参議院選挙出馬の際、「医療用大麻の解禁」を訴えていた。
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世界的な流れかもしれませんが、現行の日本のルールは守るべき。ただ、もしかしたら30年後には日本で大麻が解禁され、その頃には高樹さんは大麻解禁に人生をかけた“カリスマばあちゃん”になっているかもしれない(笑)。石垣島の家が“聖地”になっていたりしてね。
大麻がドラッグかどうかという議論はさておき、薬物依存症という“病気”の前では皆が平等なんです。金持ちの芸能人だって貧乏なジャンキーだってやめるまでには同じ苦しみを味わう。脳にダメージを負い、最高に悲惨な喜劇を一緒に見ている。そんな感覚に近いのかもしれません。
この記事の締め切り直前、週刊誌で「コカイン使用疑惑」が報じられた俳優の成宮寛貴(34)が芸能界引退を発表した。芸能界から、そして日本社会から違法薬物が根絶される日はいまだ遠い‥‥。