このぶっちゃけ発言に、会場はざわつく。何しろ、球団から「裏金交渉」を提案されたことを暗にほのめかす内容だったからだ。
「GMに就任してからは、最高標準額の1億円を守ったよ。他の球団のことは知らないよ。でも、オレの実家は煎餅屋、小商人の家庭で育ったから、身の丈に合った予算でチーム編成をしたかった」
落合氏はさらにこう続けたのだが、中日以外の球団では1億円以上を積むことがあったかのような言いっぷりに、会場は再びざわついたのである。
「オレ流」危険球は監督時代の人事問題へと移行。
「昨季まで一軍作戦兼守備コーチを務めていた辻発彦が西武の監督になったけど、オレは監督就任1年目のキャンプ初日にコーチを集めて、『12球団どこからも声のかかる指導者になってほしい』と言った。ところが、『名古屋だけでメシは食っていけるから、わざわざヨソに世話になる必要はない』と言うヤツがいた。ここでは名前は出しませんが、向上心がないのは指導者としては失格。チームのためにならないので、すぐに辞めてもらいました」
球団関係者が言う。
「それは球団が用意したOBコーチの鈴木孝政ですよ。最初はヘッド格の投手チーフコーチだったのが、やがて二軍投手コーチに落とされた。で、わずか1年でクビになっています。先発予定投手など、チームの内部情報をマスコミに漏らしたことが逆鱗に触れた、とも言われます。『落合の暴走を止められるのはオレだけ』などと大言壮語したことも原因だとか」
代わりに参謀として投手コーチから昇格したのが、現在の森繁和監督(62)だった。落合氏の説明によれば、
「評論家をやっている時に根本(陸夫)さんがオレにこう言ったんです。『おいオチ、西武にいた森って知ってるか。お前みたいなヤツが森を使ったらおもしろいチームができるぞ』と。今シーズンは森と辻の日本シリーズ対決をぜひ見たいよね。森はヘタは打ちませんよ」
谷繁元信前監督(46)の下でもヘッドコーチを務めた森監督について、中日新聞関係者が明かす。
「そもそも谷繁政権下でコーチに就くことには消極的でした。でも落合氏が『お前に悪いようにはしないから』と森監督に頭を下げた。GM時代、落合氏は社会人や大学の試合をたびたび視察しましたが、裏で手はずを整えていたのが森監督でした。監督時代の落合氏に女性スキャンダルが持ち上がり、写真週刊誌が決定的な現場を押さえた時も、森監督が火消しに回っています。だから落合氏は森監督に全幅の信頼を寄せているんですよ」
ここでいったんトークショーは終了し、プレゼント抽選会が行われる。