都庁関係者が言う。
「他にも、築地跡地に予定されていた、東京五輪の競技会場や選手村を結ぶ【3】主要ルート『環状2号線』の計画が大幅に遅れるのは確実。移転延期を表明した時点でもギリギリの日程だったのに、今から突貫工事しても間に合わせるのは厳しい。開通しなければ大会期間中に月島周辺の道路は車であふれてしまう。打開策がないのが現状です」
こうした東京五輪を巡る後手後手の対応にほくそ笑んでいるのは、東京五輪組織委員会の森喜朗会長(79)。5月末にようやく大枠について合意した東京五輪の開催経費問題でも、東京都の主張が退けられたばかりか、森会長を“仮想敵”とばかりに口撃してきたが‥‥。
「小池氏は競技会場の変更や都外自治体に負担を求めましたが、結局は元どおりになっただけ。大枠の合意を発表した連絡協議会でも、協議の冒頭で森会長が議論をオープンで公開することを提案。自身が得意とする手法をマネされ、顔がこわばっていました」(都職員関係者)
4月に発売された森氏の著書「遺書 東京五輪への覚悟」(幻冬舎)でも小池氏について、
〈小池さんの一連の「見直し」は、大衆受けを狙った選挙公約のつじつま合わせ、オリンピックを道具に使った政治的パフォーマンス〉
と【4】森会長からボロクソに批判されてしまったほどだ。
さらには、【5】“仇敵”内田茂氏(78)もリベンジに本腰を入れてきている。今年2月の千代田区長選で支援した候補者が「小池陣営」に敗れて、議員引退に追い込まれた内田氏。今度こそ地元で捲土重来を期すべく、金融関連の会社員・中村彩氏を擁立し、都民ファーストの会が公認した元警視総監・樋口建史氏の息子・樋口高顕氏を追撃する構えだ。内田氏に近い関係者はこう話す。
「まだ20代で孫ほど離れた中村候補を勝たせるため、内田さんは一緒に地元のお店などを挨拶回りしていました。お辞儀や握手のしかたなど、選挙のイロハを叩き込んでいます」
それどころか、寝業師の内田氏は都議選での勝利を手土産に、次なる一手を画策しているという。
「『(都議選は)自分が仕切る』と強い意気込みを見せています。自民党が『都議会第1党』を維持できれば、公明党と再び協力を結ぶ役割を担いたいようです」(都政担当記者)
事実上、都議選を仕切る内田氏と小池氏の遺恨第2ラウンドは、攻守逆転の激しいツバぜり合いを見せている。