出版社の校閲部に配属された新入社員を描くドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(日本テレビ系)を巡って、ネット上では賛否が渦巻いている。片や「こんな校閲者なんてありえない」と現実離れした設定を批判し、それに対して「ドラマに厳密な現実性を求めるのはナンセンス」と批判の応酬になっているのである。
どちらの言い分にもなるほどと思わせる点があるが、出版関係者たちが口をそろえて「こんなの現実離れしている!」と指摘するのが、ヒロインの石原さとみだというのだ。彼女の一体なにが問題なのか。週刊誌の編集者がこっそり耳打ちする。
「あのファッションは有り得ませんね。華やかに思われがちな出版社ですが、現実には地味な作業と不規則な勤務時間が理由で、オシャレとは無縁な女性がほとんど。あんなモコモコのセーターなんて着ていたら、袖がすぐゲラで真っ黒に汚れてしまいますよ。それにヘアスタイルは『簡単、ラク』がテーマですから、まるでサロンでセットしてきたような髪型なんて見たことありません。あとはA4サイズの雑誌すら入らないような小さなカバンも校閲者にはありえないチョイスです」
そんな現実離れしたヒロインの設定も、やはりドラマの演出と割り切るべきか。一方で本田翼が演じるファッション誌の編集者は動きやすいラフな服装に加え、カバンもファッション誌がすっぽり入る間口の広いトートバッグ。こだわるべきところはちゃんと押さえる演出にはむしろ、拍手を送るべきなのかもしれない。
(金田麻有)