スクリーンで悩ましい姿を見せ、男たちの熱い視線を浴びた。永遠に続くかと思われた至福の時間は、しかし、突然のシャットダウン‥‥。気になる6人の女優を追っかけリサーチ!
主演第1作の「いそぎんちゃく」(69年、大映)など、軟体動物シリーズで知られた渥美マリ(65)。魅惑の肉体で倒産前の大映を支えたが、女優としての活動は10年にも満たない。
「すごくいい子だったんだよ。ただ、男運が悪くて、マスコミにもいろんなことを書かれたものだから、家に引きこもってしまった」
語るのは大映宣伝部に在籍した中島賢氏。つい最近、当時の女優たちのエピソードをつづった「スタアのいた季節」(講談社刊)を上梓したが、渥美に対しての思い入れはとりわけ強いという。
「当時のマリは都内の家に両親と暮らしていて、2人が亡くなったあともずっと住んでいた。あまりに消息がつかめないので死亡説も出たが、今でも元気でいることは確認できました」(前出・中島氏)
そして中島氏は思いがけない大物の名を口にする。大映の「羅生門」(50年)や「雨月物語」(53年)で、世界的にも高い評価を得た京マチ子(91)だ。
「10年ほど前から表舞台から遠ざかっていますが、実はほんの数年前、アメリカで結婚したと元大映の俳優から聞きました」
長らく独身を貫いてきたが、卒寿を前にした一大決心である。
また、14年にはハワイでピーター(池畑慎之介)と落ち合ったこともブログで紹介されている。写真では白髪こそ増えているが、老いてなお、濃厚なフェロモンは健在である。
引退宣言こそないが、無期限休止は松尾嘉代(72)も同じ。ドラマや映画で長らく活躍していたが、97年を最後に、姿を見せなくなった──。
「本人はもう引退したと申していますので、コメントは差し控えさせていただきたい」
所属事務所の弁である。気になるのは最後にクレジットされた作品が、83年公開の「鍵」のディレクターズ・カット完全版(97年)であること。谷崎潤一郎原作の官能ロマンであり、松尾は一糸まとわぬ激しい濡れ場を演じている。
「ヘア写真集も出しているし、脱ぐことにためらいのある女優ではないが、この『鍵』は一部で『和製ハード・コアではないか?』と噂されたほど。女優として、全てやり尽くしたと思っても不思議ではありません」(映画ライター)
続いては女優としてだけでなく、歌手としてもフェロモンを放った渚まゆみ(71)だ。特に菅原文太と共演した「人斬り与太 狂犬三兄弟」(72年)や「仁義なき戦い」(73年)は、女優としての評価が高い。
作曲家・浜口庫之助氏と結婚後は女優業をセーブしていたが、未亡人となった今はどうか?
「娘夫婦のいるロンドンと六本木を往復する生活。女優としての仕事はほとんど受けていないけど、浜口さんの功績に関する番組なら喜んで出演しています」(所属事務所)
27歳差の結婚が騒がれたが、夫が死してなお「内助の功」を発揮していた。
肉体派女優の元祖の一人が筑波久子(78)である。57年に「肉体の反抗」(日活)がヒットし、筑波の「肉体シリーズ」はドル箱となった。
「24歳で引退し、アメリカに滞在して映画のプロデュースを手がけるようになった。特に日本でもおなじみの『ピラニア』(78年)は、40億円の興行収入をあげる大ヒット。一躍、ハリウッドでも大物プロデューサーの一人になりました」(映画記者)
最後は「ザ・ウーマン」(80年、友映)や「魔界転生」(81年、東映)での脱ぎっぷりが絶賛された佳那晃子(59)だ。13
年1月にクモ膜下出血で倒れ、一時は脳死であると診断された。その後、蘇生措置で回復したが、現在も懸命なリハビリが続いている。夫である放送作家の源高志氏が言う。
「まだすぐに退院できる形ではないけど、1年ぐらいかけて出られるようになれればと思うよ」
快方に向かうことを祈りたい。