●ゲスト:小峠英二(ことうげ・えいじ) 1976年、福岡県生まれ。高校卒業後、NSC大阪校に入学。96年、西村瑞樹と「バイキング(現バイきんぐ)」結成。その後、ライブを中心に活動し、2012年の「キングオブコント」(TBS系)で優勝。以降は1人での活動も増え、今やテレビで見ない日はないほどの人気芸人に。現在は「モテるの法則」(エンタメ~テレ)、「有田ジェネレーション」(TBS系)、「誰だって波瀾爆笑」(日本テレビ系)、「青春高校3年C組」(テレビ東京系)、「ヒルナンデス!」(日テレ系)、「超人女子戦士ガリベンガーV」(テレビ朝日系)などにレギュラー出演中。準レギュラーに「水曜日のダウンタウン」(TBS系)など。
一刀両断キレッキレのツッコミを武器に、お笑いの枠を超えてバラエティー番組のMCなどで引っ張りだこの、バイきんぐ・小峠英二。その才能はもちろん、車・ファッションなどこだわりの趣味にも親近感を抱いている天才テリーは、思わずムチャ振りのアドバイスを投げるが!?
テリー 年明け早々おめでたそうなゲストの登場だ。
小峠 テリーさん、それ、明らかに僕の頭を見ながら言っていますよね。
テリー 前にコンビで出てもらったのは「キングオブコント」で優勝した直後なんだよ。
小峠 もう7年以上前ですか。おかげさまで、どうにかやっています。
テリー 「どうにか」どころか大人気じゃない。コンビ結成からブレイクまで、どのくらいかかったの。
小峠 16年ですね。それまではとりあえずお笑いで食えるようになるのが目標で、中野、下北沢、渋谷の劇場でライブばっかりしていました。しかも、そのうちの13年ぐらいは全然ウケなくて、ずっとスベり続けていましたから。
テリー ええっ、13年!?
小峠 生まれたばかりの赤ん坊が中学1年生になるまで、ずっとスベッてたんですよ(笑)。
テリー アハハハ、そう言われると確かにすごい。
小峠 しかもこれ、本当によくないんですけど、長くそういう状況にいると、スベることに慣れちゃうんですよ。ショックよりも「やっぱりまたスベッたか‥‥」で納得しちゃう。
テリー 当時はどんなネタをやっていたの。
小峠 僕らの体がとてつもなくデカい、という設定のコントとかです。前にバレーボール、軟球、テニスボールなんかを並べたものを太陽系の惑星に見立てて、それを動かして「水金地火木土天海冥」をごちゃごちゃ変えていく、みたいなことをやっていて。
テリー あ、今、編集部のスタッフが笑ったよ。
小峠 ウケてませんって!今のは「おいおい、こいつマジでそんなことやってたのかよ!」っていう嘲笑ですから。
テリー バイきんぐのネタは小峠さんが全部考えているわけでしょう。そういう状況が続くと「俺、世の中に通用しないのかな」とかみたいな気持ちになるの。
小峠 いや、何なんでしょうね‥‥「自分たちはおもしろい」っていう自信だけはあったんですね。発想はおもしろい、でもやり方が悪いのかも、と。だから続けられたんだと思います。
テリー そういう状況から16年目に大きな大会で優勝できたわけでしょう。いったい何が変わったの。
小峠 結成14年目から2カ月に1回、新ネタを6本見せるライブをやり始めたのがターニングポイントだったかもしれませんね。短い期間に数をこなさなきゃいけないので、いろんなパターンのネタを作るわけですよ。
テリー ああ、そこで自分たち独自の笑いがつかめてきたわけだ。
小峠 元は僕がボケ、西村(瑞樹)がツッコミだったんですけれど、ネタによってそれを逆にしたり、ダブルボケにしたりと試してみたら、僕がツッコミのほうがウケるし、お客さんもなんとなくそれを求めてるというムードを感じることができたわけです。それを意識してネタを作っていく中で徐々に今のスタイルに移行していったんです。