巨人の開幕スタートで出色だったのは、ソフトバンクから移籍した捕手・甲斐拓也だった。3連戦の打率は5割3分8厘(13打数7安打)。1本塁打、2打点の活躍で、チームの開幕ダッシュに大きく貢献した。
もっとも、野球解説者の高木豊氏は自身のYouTubeチャンネル「高木豊 Takagi Yutaka」の3月31日の動画で、甲斐の打撃を冷静にこう分析している。
「そりゃあ好不調があって、好調な時期から入ったからまだよかったけども、(いずれ)これは低迷はするよ。(最終的に)2割2分から2割3分くらい打ってくれて、2ケタのホームラン打ってくれたら御の字だと、俺は思う」
それよりも、と高木氏が高く評価したのは、発熱したフォスター・グリフィンに代わって開幕2戦目に緊急登板し、今季初勝利を挙げた赤星優志の言葉「甲斐選手が1球1球、リアクションを起こしてくれる」だ。
「そのリアクションがそれだけ説得力があるかだよ。『いいか、ここに来いよ。ちょっとボールでもいいんだぞ』みたいな。ちょっとした仕草を赤星が捉えているんだよ。信頼できるだけの説得力がある。俺は打つ打たないというよりも、そこが大事だと思う。阿部(慎之助)監督が求めてるのはそこなんだよね。小林(誠司)もそういうところがあるし、岸田(行倫)もあるし、なかったのが大城(卓三)でしょう。大城にそういうところを求めてる。大城は甲斐を見て、いい勉強になると思う。まだ成長は続けていかなきゃいけない。そうなった時に、あれだけのバッティングを大城は持っているから」
その大城は3戦目の8回に代打で打席に立ち、タイムリーを放って3得点目を挙げた。今季2度目の代打で結果を残し、試合後には「自分も開幕できてよかったです」と、ホッと胸を撫で下ろしている。甲斐にないものを、大城は持っているのだ。
(所ひで/ユーチューブライター)