初めてそのプレーを見た時の衝撃が忘れられない…。そんな話を展開したのは、Jリーグ清水エスパルスの秋葉忠宏監督である。
力説したのは、1996年のアトランタ五輪予選でキャプテンとして大活躍した小倉隆史氏のスゴさだった。アトランタ五輪本戦でキャプテンだった前園真聖氏のYouTubeチャンネルに出演した秋葉監督は、自身が選ぶベストイレブンのひとりとして、小倉氏を選出した。
「中3の春に遠征に連れて行ってもらって、(小倉氏がいる)三重県立四日市中央工業高校と試合をした。(小倉氏は)ドロドロの田んぼみたいなグラウンドなのに、ズドーン(とシュートを打っていた)。サイドチェンジするわ、シュート決めちゃうわ。大人いるじゃん、みたいな。モンスター。ひとり大人がいてずるいと思ったら、オグでした」
さらに小倉氏のストロングポイントを挙げた。
「あんな足が短いセンターフォワード、なかなか見ない(笑)。ダックスフントみたい。だからあんなに足腰強いんだなと思いました」
そんな強靭な下半身で、
「高校時代は強引にプレーしていた。帝京高校との決勝では2、3人引きずっていた」
日本のエースになると期待されていた小倉氏だが、アトランタ五輪最終予選の合宿中に右足後十字靭帯断絶の大ケガを負い、以降は伸び悩んだ。あのケガがなければ、欧州のリーグで活躍していたはずだ。
(鈴木誠)