ドジャース・佐々木朗希が本拠地ドジャースタジアムのタイガース戦で米本土デビューしたが、さんざんな投球に終わった。1回2/3に61球を費やし、3安打2奪三振、4四球で2失点降板。ストライクはわずか32球という大乱調だった。打者12人中5人に、フルカウントまで持ち込まれ、制球に苦しんだ。
試合を解説した元メジャーリーガーの野球解説者・田口壮氏は、降板後にベンチ前列で試合を見守る佐々木に「こういう態度は非常に大事。他の選手たちも(振る舞いを)見ていますから。これからですよ」と評価した。
だが、田口氏のこの発言には「誤解」が含まれている。佐々木は降板後、自身が残した走者がいるにもかかわらず、2番手投手の投球を見守ることなく、ダッグアウト裏に姿を消してしまった。それをロバーツ監督がよしとせず、ベンチへと呼び戻したのだ。
佐々木のこの振る舞いには、現地メディアが疑問を抱いており、「佐々木はメジャーに行く準備ができていない。3Aに送り返されるべき」といった厳しい意見も出た。本来はマイナー契約の佐々木が、開幕戦前にメジャー昇格したのは時期尚早だった、と…。
ここで思い出されるのは、元メジャーリーガー・上原浩治氏の発言だ。
上原氏は今年1月に公開したYouTubeチャンネルで、佐々木の登板間隔について問われ、
「メジャーでは投げさせない。まずは1年間、マイナーで流させてから判断する。(メジャー昇格は)2年後だと思う。もう1年、日本でやるべきだった」
当時、この指摘は佐々木のメジャーでの活躍を期待するファンから大ヒンシュクを買い、佐々木の東京ドームでのデビュー登板が決定した頃には、すっかり忘れ去られていた。ところが今になって「やっぱり上原氏の言う通り」と見直す動きが。
次回の佐々木の登板は、4月6日のフィーリーズ戦が予定されている。佐々木の今後を占う試金石となるだろう。
(ケン高田)